あっという間 ページ14
キ｢…ゲーム、されるんですか？｣
しゃるとちゃんは首を傾げたが、自分がどこに視線が
向かっているのかに気がついて笑顔を浮かべた。
｢はい！子供の頃から兄とゲームすることが多くて、
それがきっかけで今もよくゲームするんですよね。｣
確かに、テレビ付近にはゲーム機とカセット、そして
コントローラーと、かなりのものが揃っている。
｢ゲーム、しませんか？一緒に。｣
キ｢…！はい！｣
｢私、2人プレイでこれやってみたかったんです笑｣
そう言ってゲーム機に電源を入れるしゃるとちゃん。
しゃるとちゃん、意外とゲーマーなのかな。
キ｢あ、これ知ってます。｣
｢やったことあります？｣
キ｢実際にはないですけど、気になってました｣
｢すごく実況者さんの中で流行ってましたよね、その
動画をよく見てたのでつい買ってしまいました笑｣
テレビの画面が切り替わる。同時に明るいBGMが
流れ始めた。しゃるとちゃん、動画見てるんだなぁ。
キ｢…これ、操作は単純なんですね。｣
｢はい！…あ、キヨさん。タメでいいですよ？｣
キ｢え…？ぁ、やば、死んじゃった…｣
タメ口許可が出ただって？まぁ俺の方が歳上だし、
それはそうかもしれないけど…タメでいいのか？
しかも分かりやすく動揺して死んじゃったし。
｢それくらいで動揺しないでください笑｣
キ｢いやいや動揺しますよ！？タメ口いいんすか！？｣
｢むしろタメでお願いします！キヨさんが敬語だと、
どこかよそよそしいというか…？笑｣
キ｢確かに笑じゃあタメ口で頑張るわ！笑｣
｢はい！それでお願いします！笑｣
_しばらく2人でゲームを続けた。ゲームの面をクリア
する頃には、俺は自然と敬語が抜けていたのだ。
キ｢…これ面白いね、実況しよっかな｣
｢え、見たいです！実況してください！｣
キ｢考えてみるw｣
やった！と嬉しそうなしゃるとちゃん。この素顔を
見れるのも、仲良くなれた特権だよな。というか、
こうして仲良く出来てるもの奇跡なんだけど。
｢あ、もうこんな時間…洗濯物混んできますね｣
さすがに女の子の洗濯物を取り込むのは抵抗があった
し、手伝うのも変かと思って待つことにした。
キ｢もう5時近いのか…｣
楽しい時間はあっという間｡ほんとその通りだと思う｡
ゲームの途中でも違う会話も出来たんだし。
｢キヨさん、よろしければ夜ご飯食べていきません？｣
キ｢ぇ、…？｣
本当に、俺の事を殺しにかかってるよ…俺の推しは…
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作者名：まい | 作成日時：2020年12月12日 19時
