【ky】第一印象は恋でした。 (ページ12)

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人見知り皆無ページ12

キヨサイド

後日日程を合わせ、しゃるとちゃんの家にお邪魔させ
ていただくことになった。でも近くのコンビニまでは
顔を出してくれるらしい。だから今向かっているが、
胸のドキドキが半端じゃない。緊張する…。

待ち合わせのコンビニが見えてきた。扉の少し離れた
ところで女性がスマホを見ながら立ち尽くしている。
もしかして、彼女がしゃるとちゃんなのか…？

キ｢…わっかんねぇ…｣

何年も推してはいるけど彼女は仮面を付けていない。
さすがに外に出るから外すのは当たり前だけど。
じっと彼女を見つめていると、ふと視線があった。

｢…キヨさん、ですよね？｣

キ｢あっはい。しゃるとさん…？｣

｢はい！しゃるとです！初めまして！｣

眩しい笑顔で返されるほとんどの人が知らない仮面の
裏側。いや待て、めちゃくちゃ美女じゃないか…？
俺が思ってた以上に美女だ。目が大きく綺麗な二重。
そして、笑うと少しアヒル口になる口角。何もかもが
とても可愛らしく見えて、目を逸らしたくなった。

｢とりあえず、家まで案内しますね！｣

彼女は俺とは違い、人見知りがないみたい。動画を
見ていても思うけど、あまり壁とかないんだろうな。

_『こんにちは。Aちゃん、お友達？』

彼女の家のアパートに着くと、知らないおばさんに
声をかけられた。俺はこういう時、最低限の応答を
してそそくさと逃げてしまうが、彼女は違かった。

｢こんにちは！そうですよ！あ、お荷物お持ちします｣

ご近所さんなのだろうか。彼女はおばさんが持って
いた重そうな袋を持った。さすがにそれを黙って見て
いるのも嫌だったから、彼女から袋を取った。

キ｢俺が持つよ。｣

｢え、キヨく、別に気にせんでええのに…｣

キ｢ううん。俺がしたいからしてるだけだから｣

『あらやだ、ありがとおねぇ』

頭を下げて、おばさんの家の前まで荷物を運ぶ。
おばさんは何だか嬉しそうな…そんな気がした。

『にしてもAちゃんの彼氏、いい人ねぇ』

おばさんとわかれようとした時、そんなことを言われ
た。さっきも気になったけど、Aって本名か…？
だとしたら、しゃるとちゃんの彼氏に見えてる…？

｢かっ彼氏じゃないよ！？ただのお友達で…｣

『あぁそうか、まだ前の男いるのかい？』

前の…男…？前の男とは一体誰だろう。まぁでも、
元彼とかなんだろうけど。でも俺は見逃さなかった。
前の男、と言われた時の辛そうな表情を、ね。