片恋シンドローム２〈 Ren.M 〉 (ページ46)

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◎ 彼女の甘い秘密ページ46

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「れんくん」

「なぁに」

「今日お家行ってもい？」

「いいよ、おいで」

そんな会話から始まり、グループでの仕事終わりに俺の家へ2人で向かった。Aが結婚するまではファンのみんなに内緒にしておきたいって言うから外で手を繋ぐことはまだ出来ないけど付き合う前より近い距離で、肩が触れ合いそうな近さで歩けることが嬉しい。

「お邪魔しますっ」

「はーい」

何回家に来ても毎回律儀に挨拶してくれるA。こういうとこも好き。
一緒にリビングまで行ってソファーに並んで腰掛けるとAが隣からおずおずと俺に抱きついてきた。

「どうしたの、なんかあった？」

「ううん、ぎゅってしたかったの。蓮くんもぎゅーして」

「………かわいすぎ」

そう言われてAの背中に腕を回して抱きしめると俺の腕の中で嬉しそうに笑うAの声が聞こえた。Aが元々甘え上手なことは知ってたけど俺と2人きりになるとより拍車がかかっている気がする。俺の彼女、かわいすぎる。

「こうやって恋人のAのこと抱きしめる想像めちゃくちゃしてたから嬉しい」

「そんなことしてたの？ふふ、今までライブ終わりとかに抱き合ってたのに」

「それとこれとは訳が違うじゃん！……あ～、しあわせ。かわいい」

「蓮くんの声くすぐったいから耳元でしゃべらないで……」

身を捩りながら俺に訴えかけるA。もしかして耳弱かったりすんのかな。それか俺の声に弱かったりする？えー何それ、かわいい。

「ねぇ、A」

「も、耳元やだって、言ったのに……っ」

「俺の声が好きなの？」

「んん……、言わない……」

「言わなきゃやめないよ」

「っ、すき、蓮くんの声、すきなの……！」

自分から抱きついてきたくせにくすぐったくて離れたいのか、俺の胸元をぎゅうぎゅう押しながら抵抗してくるA。でも力が抜けてほぼ意味をなしてないとこも愛おしくてたまらない。

「なんで俺のAはこんなにかわいいのかなぁ」

「……蓮くんもかっこいいよ」

「なに、もしかして反撃してる？悪い子だ」

離れるのは無理だと悟ったのか抵抗をやめたAをまたぎゅっと抱きしめた。
いくらメンバーでもこんな長い時間抱き合うことはないだろうから、ちょっとした優越感。Aがこんなに甘えん坊なことは絶対メンバーにも、ファンのみんなにも内緒にしておこう。俺だけの特権だし。