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「うわっ……あれ、Aだ。ってなんで泣いてるの?どうした?」

「……っ、涼太くん〜…っ!」


別の要件で事務所にいたらしい涼太くん。彼の姿を見たらなぜか安心しちゃって止まりかけてた涙がまたぶわっと溢れてきた。そんなわたしを見た涼太くんはすぐにわたしを抱き寄せて、優しく背中を撫でてくれた。
わたしは途中詰まらせながらも、今までのことをゆっくりと涼太くんに話した。


「なるほどね。目黒に言いたくないこと言っちゃったんだ」

「ほんとはきらいじゃないのに……」

「うん、ちゃんと分かってるよ。気持ちが昂りすぎちゃったんだよね」

「だてさまぁ〜……っ!」

「おー、よしよし。姫の涙はいつ見ても胸が痛くなるよ」


さすがの涼太くんの包容力につい思いっきり甘えてしまう。おかげでほんのちょっとだけ心が穏やかになった。きっと他の人じゃこうはなっていないから偶然涼太くんに会えてよかった。
すっかり涼太くんの元で安心しきっていると誰かが走ってくる音が聞こえる。もう誰かなんて見なくてもわかるけど、今は視界に入れたくなかった。


「目黒そんな怖い顔しないでよ。Aのこと任せていい?俺まだやらなきゃいけないことあるからさ」

「……うん、ごめん舘さん」

「ほら、Aもちゃんとほんとのこと言うんだよ?」

「涼太くんいかないで……」

「いつもならかわいい我儘だし聞いてあげられるけど今日はだめ。じゃあね」


涼太くんはそう言って呆気なくわたしを離してどこかへ行ってしまった。その場に取り残されたわたしと蓮くんの間に沈黙が流れる。なんでこんな時に限って周りも静かなんだろう。物音がひとつでもあれば沈黙も誤魔化せるのに。
静寂に包まれる中、先に口を開いたのは蓮くんだった。


「ごめん、俺馬鹿だからAがなんで泣いてるのかもわかんないし、なんで嫌いって言わせちゃったのかもわかんない。俺が気づかないうちにAのこと傷つけてたなら謝りたいから教えてくれない?」


傷つけたのはどう考えたってわたしなのに、蓮くんは自分に非があると思って怒りもせずに話を聞こうとしてくれていた。どこまでも優しい蓮くんに、涙は留まることを知らずどんどん零れ落ちていく。

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美紀(プロフ) - 移行おめでとうですコロナと熱中症がすごいので体調に気をつけましょう (8月18日 17時) (レス) @page50 id: e7f1610a24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽめこ | 作成日時:2023年6月10日 13時

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