◎ ぺトリコール、あるいは ページ4
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ひか恋の撮影が本格的に始まった日、さっきまでぴかぴかに晴れてたのに急に雲行きが怪しくなって雨が降り始めた。そのせいで一旦中断になりロケバスでしばらく待機していた。
「李光人くんお肌すべすべでいいねぇ、なんかしてる？」
「えー、化粧水ばしゃばしゃしてるくらいだよ。それ言ったらAちゃんも綺麗じゃん」
「わたしはだって美容番長が近くにいるから自然と綺麗になっちゃうんだよ〜」
「あぁ渡辺さん！いいね！」
最初はわたしに敬語だった李光人くんも今はもうタメ口で話してくれるようになった。お顔もだけど話し方もかわいくて癒される。
「あ、そういえば李光人くん好きな食べ物ある？蓮くんに聞いたんだけどわかんない〜って言ってて」
「んー、和菓子かな！餡子が入ってたらもっと好き！ていうか僕目黒くんにそう伝えたら饅頭もらったんだけどなぁ……忘れちゃったのかな？」
「えっ、そうなの？蓮くんのことだし忘れちゃってるのかも……？」
でも李光人くんの好きな食べ物あげたのにそんなすぐに忘れちゃうこと、さすがの蓮くんでもないんじゃないかなぁとか思ったり。
「まあいっか。目黒くん元気？」
「うん、元気だよ〜。蓮くんに会いたがってるの伝えといたよ」
「ほんと！？ありがとう！今度LINEしちゃおっと」
そう言いながら早速蓮くんとのトーク画面を開いている李光人くん。今送るの！？って思ったけどおもしろくてかわいいからそのまま見守った。
蓮くんへのメッセージを打ち込みながら、李光人くんは不意に口を開いた。
「ほんとAちゃんと目黒くんってめっちゃ仲良いね、付き合ってるんだよね？」
「……え、わたしと蓮くんが？」
「うん……？てっきりもう付き合ってるのかと思ってたけど違うんだね。変なこと言ってごめんね」
当然のような顔をして言う李光人くんに驚愕しているわたし。そんなこと考えたこともなかった。蓮くんのことはメンバーとして好きだし1番仲がいいとは思ってるけど付き合うとか、そんなの。
「メンバー同士はだめ、だとおもう……」
「えぇ、僕はいいと思うけどな。や、ただの僕の勘違いだし気にしないで、ほんとに！」
「………うん」
気にしないでと言われてすんなり受け入れられるほど、わたしは素直じゃない。
雨が止むまでの間、ずっと蓮くんのことや李光人くんの言葉が頭から離れなくてこの後の会話もよく覚えていなかった。
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美紀(プロフ) - 移行おめでとうですコロナと熱中症がすごいので体調に気をつけましょう (8月18日 17時) (
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作者名：ぽめこ | 作成日時：2023年6月10日 13時
