片恋シンドローム２〈 Ren.M 〉 (ページ28)

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◎ 恋の鼓動ページ28

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今日は全員で撮影の日。と言ってもペアで撮るみたいで、スタッフさんからの指示でわたしは翔太くんと蓮くんと撮影することになった。

「しょったくんよろしくね～！」

「おー、よろしく！」

2人で立ち位置につくとカメラマンさんから仲良し～って感じのポーズくださいってかなりアバウトな要求がされた。

「ん～、ハグでもする？」

「え、Aと？うわ、まって、恥ず……」

「なんで！(笑)いつもライブの前後にしてるでしょ！」

「あれはなんか勢いじゃん！勢いでどうにかしてんの俺！」

そんなやりとりをしてる間もぱしゃぱしゃと何枚か撮られていて、それも相まって恥ずかしがってる翔太くん。かわいい。
結局ハグはだめらしく、お互い肩を組むだけで終わった。

「翔太くん結構肩がっしりしててかっこよかった」

「俺そんなひょろひょろだと思われてたの？ありがと、めめにバトンタッチするわ」

そう言って近くでわたし達の撮影を見守っていた蓮くんの方へと行く翔太くん。

「Aよろしくね」

「こちらこそだよ～」

「俺とはハグする？」

「っ、しない……！」

こっちに来るなりわたしの顔を覗き込みながら言う蓮くん。わたしも恥ずかしがってた翔太くんに人のこと言えないかも。

「なんで？しょっぴーとは出来るんでしょ？俺は？」

「蓮くんは、はずかしい、から……」

言葉が尻すぼみになっていくわたしに蓮くんは悪戯っぽい笑みを浮かべた。やっぱりこの人意地悪だ……！

「かわい。じゃあ俺がバックハグしちゃお」

「え、あ……」

「ねえ、俺も今めっちゃドキドキしてるんだよ。伝わってる？」

わたしにだけ聞こえる声量で耳元でそう言われた。確かに背中辺りに鼓動がちょっとだけ伝わってくる。こんなにぐいぐい迫って来てるのに、蓮くんもドキドキしてるんだ。

「……すごいばくばくしてる」

「でしょ？好きな子抱きしめてんだもん、普通に緊張する」

好きな子、って言われてどう反応していいかわからなくてそのまま口を開けなくなった。でも撮影中だから一応笑顔は作っといて、わたしの手は蓮くんの手にそっと重ねておいた。触れるのだけでも恥ずかしくて、体温が上がっていくのを感じる。
しばらくするとカメラマンさんからOKが飛んできて、蓮くんの温もりが離れていった。

「Aありがと、楽しかった」

「う、うん……ありがとう……」

「じゃあ控え室戻ろ」

だめだ、蓮くんが前よりずっとかっこよく見えるようになってきた。