◎ バタフライエフェクト ページ11
.
「A、このあと仕事ある？」
グループでのお仕事を終えた後、蓮くんがわたしに声をかけてきてくれた。誠くんに言われたあの言葉がずっと脳裏から離れなくて、なんとなく蓮くんと話すのが照れくさくなっているわたし。
「う、ううん……帰るだけだよ」
「じゃあさ、俺ん家来ない？ハンバーグ作ったげる」
「あ、前に言ってたの？食べたい！」
「ん、決まりね」
そういえば前に蓮くんのご飯食べたい、ハンバーグ作ってなんておねだりしてたなぁ。ちょうどお肉食べたいと思ってたし嬉しい。
そのまま蓮くんと一緒にスタジオを出て、直接彼の家に向かった。蓮くんのお家に行くのも久々だしモコちゃんに会うのも久しぶりで楽しみ。
「お邪魔しま〜す」
「どうぞー」
「わ！モコちゃんだー！」
蓮くんの家の玄関に入るとモコちゃんが走ってお出迎えしに来てくれた。わしゃわしゃ〜って撫でてあげると嬉しそうにしっぽを振る。相変わらずかわいい。
「ふはっ、ここにかわいいのが渋滞してる」
「モコちゃんかわいいねぇ」
「あんまり撫でたらしぴが嫉妬するよ(笑)」
「たしかに……！」
しぴちゃん臭いに敏感だからモコちゃんの臭いを察知して機嫌損ねちゃうかもしれない。そんなとこもかわいいんだけどね。
それからモコちゃんと戯れながらリビングへ入り、ハンバーグが出来るまでソファーで待たせてもらうことになった。でもなんだかそわそわしちゃって、キッチンで料理してる蓮くんの近くまで行ってちらっと覗いてみた。
「んふ、何してんの。バレてるよ」
「なんか落ち着かなくて……見てていい？」
「いいけど面白いことは出来ないよ(笑)」
なんて笑いながら手際よくタネを作っていく蓮くん。わたし料理出来ないからすごいなぁ。
「なんかこうしてたらAを住まわせてた時のこと思い出すな。その時もたまにこうやって俺のこと見てたよね」
「あ、そうかも……懐かしいね」
「あの頃と比べたらほんと忙しくなったよなぁ。ありがたいわ」
思い出話に花を咲かせながら料理を進めていく蓮くん。見てるだけはいやで手伝うよって言ってみたけど「嬉しいけどだめ。全部俺に作らせて」って言われたから大人しくそのまましばらく蓮くんの後ろ姿を見つめていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1094人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美紀(プロフ) - 移行おめでとうですコロナと熱中症がすごいので体調に気をつけましょう (8月18日 17時) (
レス) @page50 id: e7f1610a24 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽめこ | 作成日時：2023年6月10日 13時
