片恋シンドローム２〈 Ren.M 〉 (ページ2)

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◎ 祝福と妬心のマーブル模様ページ2

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蓮くん、映画決まったよって嬉しそうな声で報告してくれたのはほんの数分前。俺もAが女優として活躍する姿は見ていてとても嬉しくなるし、俺自身勉強にもなるから祝福の気持ちでいっぱいだった。
でも映画の内容と共演者を見た時、一気に妬心が沸いて出てきた。

「板垣くんと、なんだ……」

「うん！李光人くんすっごいいい子だね！おもしろいしすっごい話しやすかったなぁ」

もう名前呼びなんだ。早くない？俺もドラマで共演したから板垣くんが良い人なのも、ユーモアがあって人懐っこいのもよく知ってる。だからこそ不安だった。Aを取られたらどうしよう、って。
Aが今純粋に彼のことを褒めているのもわかってる。でもどうしてもメンバー以外の男を褒めるところを見るのは、胸がきゅうっと傷む。

「………キスシーンとかあるの？」

「あった気がする……？まだ序盤しか台本頭に入ってないの」

「……そっか。頑張ってね」

頑張ってほしいのは本当。でも素直におめでとうって言えない自分が嫌になった。この作品にAを起用したいって思ってもらえたこともAのおかげでまたSnowManの名が広まることも嬉しいはずなのに、ほんのちょっとの嫉妬心で喜べないなんてどんだけ小さい男なんだろう、俺って。

「李光人くんって好きな食べ物とかあるのかなぁ。知らない？」

「あー……なんだろうね、聞いたことないわ」

「そっかぁ、差し入れに持っていきたいから今度聞いちゃおっと」

嘘。板垣くんは餡子の入った和菓子が好きって前に言ってた。でも素直に教えてしまうと、Aの中で板垣くんについての知ってることが1つ増えてしまうのが嫌だった。いずれ知ることになるだろうけど。あー、嫉妬ってなんでこんなに苦しいんだろう。
そんなことを考えていたら、Aが「あ、」と何かを思い出したかのように呟いた。

「あのね、李光人くんと蓮くんの話いっぱいしたよ。会いたいって言ってた」

「まじで？俺の話してたの？」

「うん。ドラマの時の蓮くんの話とかたくさん聞けて嬉しかったな～」

俺の大好きな柔らかい笑みでそう言うAの姿を見て、今まで抱いていた嫉妬心が少しずつ溶かされていく感覚がする。今の話だけで、まだ板垣くんには負けてないってわかってちょっと安心した。めっちゃ単純じゃん、俺。
板垣くんに取られないように頑張ろう、そう決意した日だった。