片恋シンドローム〈 Ren.M 〉 (ページ12)

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◎ 君のための嘘ページ12

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※ 生理ネタ(？)

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side 🖤

「っうぅ、たべたくないのに……っ」

ぐすぐすと涙を流しながらちっちゃいドーナツの封を開けてぽいぽいと口の中に放り込んでいくA。
生理前はいつも食欲がとめどなく溢れてくるらしく、たまにこうやって泣きながら食べている姿を見かける。食べたくないのに食べたくなる、太っちゃうって言いながら。

宮「いつも我慢してるんだからこんな時くらいは自分のこと甘やかしてあげてもいいんじゃないかな？」

「でも、そしたらいっぱいたべちゃう……」

渡「ちょっとくらい食べ過ぎても太んねーって。それにAの食生活だったらすぐに戻るだろ」

普段のAはケータリングで食べ過ぎた日があったらその日の夜から2日ほど断食するくらい徹底して体重管理をしているらしい。だから俺も舘さんとしょっぴーの意見には賛成。

目「体重増えたら俺のせいにしていいからさ、好きなだけ食べていいよ。ほら、ポテチは？」

「っ、いる……」

俺がポテチを差し出すと迷いなく手を伸ばして食べ始めたA。
Aのどんな顔もかわいくて愛おしいと思うけど、泣きながら食べている姿を見ると胸が苦しくなる。出来ればずっと笑っていてほしい。

目「おいし？」

「おいしい～……っ、うぅ、おいしい……」

宮「よかったねぇ」

渡「ポテチこんな美味そうに食う人初めて見た」

まだ涙を流しながらではあるけど、もぐもぐ食べてるAがかわいくてちょっとおもしろくなってきた。リスみたい。

渡「俺コンビニ行くけどなんか食いたいもんある？」

「シュークリーム……と、ティラミス……！」

渡「あいよー」

宮「俺も着いていこっかな」

そう言ってしょっぴーと舘さんは楽屋を出ていった。2人っきりになれた。ラッキー。

目「俺も一緒に食べていい？」

「ん、れんくんも一緒に太ろ……」

目「ふはっ、そうだね。ありがと」

さっきまでAが食べていたドーナツとかチョコ菓子をちまちまつまんでいく。見てるだけじゃなくて、Aの苦しさを少しでも一緒に背負いたい。どんなに小さなことでも。

「れんくん、ありがと…」

目「なにが？俺もお腹空いてたしちょうどよかった」

「さっきお弁当めっちゃたべてた」

目「俺燃費悪いから全部消化された」

「………れんくん、だいすき」

嘘をつくのは嫌いだけどその一言だけでついてよかった、なんて思った。