我々国の副総統【d!】 (ページ2)

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丁寧な彼女ページ2

『……攻めるならここだ』

白髪で妖艶な容姿をした彼女が冷静に指を指す
彼女の名前はレイ・フュート。この国の副総統であり、総統の代わりの様な者でもある。

『ではまた、何かあったら部屋にこい』

紫マフラーに手を添えコツコツと靴を鳴らして一般兵士会議室を出る。ゆっくりと足を速める

『ふぅ……彼奴の所に行かないとな』

そう呟く彼女は何処か恨みがあるような目だった。
そして四階程ある階段を駆け上がる
一番奥にある総統室のドアノブに手を掛ける
その勢いでドアをおもいきり開ける

『………お喋りが過ぎるんじゃないか、グルッペン』

その先にいる総統、グルッペンを見るなり煽りを含めた言い方で言葉を放つ
そしてそこら辺の焦げ茶の椅子に腰を掛ける

gr｢…何がだ｣
『戦争宣言の事に決まっているだろう？馬鹿げている、一般兵士を全員争いに出すなんて』

無駄死にさせる気か
とキッと総統の事を睨み付けるレイ

gr｢その事なら安心しろ、一人も死なない｣
『…どこにその自信があるんだ』

半ば呆れたようにため息をし腰からゴム製ナイフを抜く
それを彼の顔向けて高速で投げつける
案の定それは当たることなく彼の手の中へと収納されるがお構い無しに話を続けるレイ

『これで良いとでも？』
gr｢良いんだ、これで｣

対抗するようにレイへと言葉を返すグルッペン

『俺は今、お前の事を信じられない』
gr｢…｣
『悪いが帰らせてもらう、じゃあ失礼した』

人が一人しか居なくなった部屋でグルッペンが呟く

gr｢流石、書類は完璧…か｣

乱雑に手の中に入っているゴム製ナイフを見て言う
ナイフには書類が丁寧に括り付けられていた
丁寧な文字、丁寧な文章、丁寧な戦闘
何もかもが丁寧であり完璧だ、

gr｢…作戦を纏めなければな｣

一人そう呟いて、また総統室には静けさが宿るのであった。