第31話〜止める理由〜 ページ33
「あんた…何、言って…」
咲美の言葉に八神たちはポカーンとして
にこやかに微笑んでいる彼女を見る。
「ですから、私たちは同じ部活に所属し
共に切磋琢磨していく仲間です。
止めない理由などありませんっと言っております。」
「っ…頭、おかしいんじゃないの…！？」
「どうとでも。
ですが、私の考えがおかしいと言うなれば、
日本代表である松風天馬さんはどうなるのですかね」
「……どうして彼が出てくるの？」
「あら…ご存知ではないのですか？
松風天馬さんは私の叔父である剣城京介のチームメイトですよ？」
「そういうことじゃなくて…！」
「ああ、性格のことですね。
彼はあの円堂守さんに次ぐサッカーバカです。
ですから、そういうことが言えるのです。
理由はどうであれ
サッカー、好きなんでしょう？
ならば私はあなた方の退部をお止めします」
「……」
戸惑う彼女らに咲美は微笑んだまま、
トーンを落とさないまま言葉を紡ぐ。
咲美の言葉を聞いた八神は隣にいる2人の視線を受けながら気まずそうに俯いた…
「八神さん。」
「……サッカーなんて、どうでもいいのよ」
「！」
「私にとってのサッカーは
お母さんの気を引くためにやってるに過ぎないの…！
サッカーを、
好きでやってるわけじゃないの…！」
「……。」
「せっかく…強豪のサッカー部に入って、
私の実力を見せつけてやろうって思ったのに…！」
ふと八神は顔をあげて
まるで、忌々しいものを見るかのように
咲美を睨みつけると低い声で話した…、
そんな八神に咲美は口角を下げ、
据わった目で八神を見つめ返す。
「……事情はよくわかりました。
ならば退部は止めません。
私のせいだと言われようとも私はサッカーが好きですから、辞めるつもりはありません。」
「っ……」
パシャ…！
「「！！」」
「やっぱ、あんたのこと、嫌いよ…！！」
咲美の紡いだ言葉に八神は腹が立って
コーヒーを彼女にかける。
取り巻きの2人はそれに驚くも
咲美の目つきは変わらず八神を見据えていた。
「……どうとでも。
私は、天馬さんのように優しくはありませんので。」
「っ！！」
「ぁ…！蓮さん…！」
「待って…！」
八神と取り巻きたちは去って行き、
咲美は1人バッグからタオルを出して
それを頭にかけた……。
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スート(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます…！私自身も早く先に進みたいと思っているのですが時間が中々…（言い訳←）なるべく更新速度を速めるように心掛けるので応援お願いしますっ！長文失礼しましたっ！ (2018年10月1日 17時) (
レス) id: d298db6a77 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - この作品を楽しみに読んでいます。 出来れば以前のように更新速度を上げていただけると嬉しいです。これからも更新頑張ってください (2018年10月1日 14時) (レス) id: d1edd8cd31 (このIDを非表示/違反報告)
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