婚約破棄のその日まで【tn】

【request】今日は厄日だ。 ページ34

今日は厄日だ。

きっとそうに違いない


そうじゃなきゃ、朝からゾム様とコネシマ様の内ゲバに巻き込まれ足を怪我し、多忙なのにトントンを姫様に連れていかれ、総統様が脱走をし、探していたら人とぶつかり、その人たちが観光客で私が軍の人間と分かるや否や拉致される、なんて

こんな盛りだくさんな負のイベント、厄日じゃなかったらなんだって言うんだ。





路地に連れ込まれ縛られた後、3人の男のうち1番体格がいい男に担がれ、城下から外れた場所の小屋へと連れてこられた。



「ホントにこんな細っこくて平凡そうなねぇちゃんが軍の人なのか？」



私を連れてきた男たちとは別に、元々小屋にいた髭面の男が首を傾げながら顔を覗き込んでくる。

近寄らないで欲しい…



「軍人だよ、ぶつかった時に落ちた証明書で確認済みだ」



ほらよ、っと髭面の男に軍人である証明書が入ったケースが投げ渡された。



「マジだな。…俺たちに捕まるとか運が無いねぇ」



ゲラゲラと下品に笑う彼から目を逸らし、口が塞がれている為吐き出せないため息を飲み込む。


はてさて、どうしたものか…


一応、私にはGPSが付いている。
…しかしそれを把握しているのはトントンとロボロ様のみ

2人とも多忙を極めているし、トントンは今お姫様の相手をしているだろうから、きっと夜にならないと居ない事に気づいて貰えないだろう




「ねぇちゃんがもっと美人だったら俺の相手してもらうんだがなぁ」



…美人じゃなくて良かったです切実に。



「でも別にブサイクってわけじゃねぇし、ヤれんじゃね？」

「まぁ、そうかもしれねぇけどよ。流石にそれは自国に戻ってからにした方がいいだろ」



…。


誰かタスケテー…。

コイツらに抱かれるくらいなら拷問の方がマシだ。
勘弁してほしい



「明日の正午にはここから出るぞ」


「お！それなら今日は酒だな！祝い酒！」



私を捕まえ功績を上げれることが嬉しいのかそんなことを言いながら酒を持ち出し飲み始める4人組

しばらくして、程よく酒が回ってきたところで思い出したかのようにこちらを見た。



「さっきはもっと美人だったらぁとか言ったけどよ、確かに悪い顔ではねぇなぁ」



クイッと顎を持ち上げられ強制的に上を向かされる。




…体感ではもう11時を回っているはずだ。

だからそろそろ私が居ない事に気づいたトントンが駆けつけてくれる…はず



早くきてー…ｯ！！

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