婚約破棄のその日まで【tn】

【request】害虫駆除はお早めに2 ページ33

はぁー、つっかえ
上に侍女たちがいることをロボロに確認しつつ渡り廊下でぼんやりしているAに呼びかけた。


害虫駆除の始まりやで


…………

最近Aの周りでよろしくない出来事が起こっている。

それを知ったのはつい昨日のことだ



「トントン。今ええか？」


ノックもそこそこに執務室の扉を開け頭を覗かせたのはロボロだった。



「お前が来るなんて珍しいな。なんかあったんか？」

「なんかって言うか、Aちゃんの事なんやけど」



A、と名前が出たところで俺の動きが停止する。



「…Aがどうしたん」

「そう怖い顔せんといて…って言うても無理かもしれんな。これ見てみぃ」



そう言うと懐から数枚の写真を取り出し机に置く。
そして時系列ごとに並べられたそれを見て目を見張った。



「…これ、まさか」

「せや、水をかけられたり、突き飛ばされたりしてるみたいやで。監視カメラに映ってた」


「…」



この城でそんな馬鹿な真似をする連中がいたとは
そんな事実に呆れつつ、写真に映っている侍女達の顔を覚えるために手に取る。



「俺が出てもええんやけど、トントンが処理したいやろ？」

標的になってるのAちゃんやし


と続けるロボロにもちろんだ、と頷いて見せた。



「ロボロ、Aが水かけられそうなタイミングが近づいたら教えてや」

「おん、りょーかい」



「いっそ観光客なら殺してしまえるのに」


ボソリと呟くとロボロは苦笑いを残し部屋を出ていった。




……

そして今、まさにAが水を上から落とされてずぶ濡れになる1歩手前


「A」


名前を呼び彼女を庇うように抱きしめ、自らが水を浴びる。
汚水ではないようだが、幹部に水をかけるという行為は流石に許されたものでは無い。



「ええ度胸してるわ」



目をぱちくりさせているAの頭をするりと撫で上にいる侍女たちを睨みつけた。



「逃げても無駄やで、お前らの顔全員把握しとるからな」



少し声を張ってそこにいるであろう彼女らに伝えると「ひっ」と短い悲鳴が聞こえるがそんなの知ったこっちゃない


Aにタオルを取ってくるように頼み、俺は侍女たちがいるであろう方に歩き出した。





「さぁて、害虫駆除せな」




………………

【メイド等に虐められてる所をtnに助けて貰う】

優稀様、リクエストありがとうございました！

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