婚約破棄のその日まで【tn】

【request】怒らせるのはやめましょ2 ページ31

そして本日「トントンを嫉妬させようの会」は作戦を実行することにした。
会の名前は鬱様が考えたので文句はそちらへ



【あ！トントン来たで！皆スタンバって】



トントンの行動パターンに入っているこの廊下の隅で待機すること20分、大先生からオスマン様のインカムに連絡が入る。



「じゃあ、始めるめぅ」



ひとらん様の肩越しに確認すると丁度トントンが現れた。



「Aちゃん！俺とお茶会するめぅ！」



私の両手を握りあざとく首を傾げるオスマン様のそれはもはや演技に見えない。



「Aちゃんはこれから俺と花を取りに行くんだけど？」



オスマン様から奪うように私の片手を取るひとらん様。



『えっと、あの…』

「Aちゃんはおいしい紅茶飲みたいよな？」

「ダメだって、先に花を見に行こうよ」



演技が上手すぎてガチ照れしそうだ。



そんでもってトントンは？

オスマン様とひとらん様が壁になってて彼のことを確認できない。
もしかして通り過ぎてしまったのだろうか？






そう思ったのも束の間。



「おい」



地を這う声とはまさにこの事か



「あれ？トントンやん！今丁度Aちゃん二人っきりのお茶会に誘ってためぅ！」

「トントンだってオスマンとお茶させるより俺と花を見に行く方が安心だよね？」



この人たち正気か？って思ったのは私だけでなく離れたら所から見ている鬱様もらしい

ガタガタと震えながら青い顔をしているのがちらりと見える



「Aは俺の嫁やぞ」

「知ってるめぅ」

「いいじゃん、散歩に誘うくらい」



オスマン様もひとらん様も楽しそうだけど、そのお二人の発言がものすごく心臓に悪い



「はぁ…悪ふざけせんでや二人とも




で？言い訳はあるか？

大先生」



ﾋﾞｸｩｯと跳ね上げるのが見える。
そしてオスマン様とひとらん様がクスクス笑っていた。
バレてるってわかってたんですね



「と、とんちぃ…」

「バレてへんと思っとんのか？後で粛清な」

「ﾋｪｯ」



鋭い視線を鬱様に向けてから、私に向き直った。



「Aも、何でこんなことしたか、じぃーっくり部屋でお話しようや？」



にこりといい笑顔をしているも目が笑ってない。


結果的には嫉妬はしてもらえたが、こんなこと二度としないと心に誓ったのだった。


……………

【tnに嫉妬してもらうために幹部に手伝ってもらう】

闇ちょこ様、リクエストありがとうございました！

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