こんにちは愛する世界2【呪術廻戦】 (ページ10)

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103:ReReハロー終われそうにない夏ーページ10

【7！！】

｢なー、なー、ちゃーーん｣
｢……は？｣
｢あははっ、Aの悪戯だよ｣

私からすれば貴方の発言も、笑ってる夏油さんも。
全く、意味が、分からない。

｢…誰か説明を。お願いします｣
｢…私は言ったはずだけど。さん付けは要らないって｣
｢俺はA。教えた｣

｢それが何だって言うんです？｣
｢…そのうち分かるけど、Aの術式がね。ちゃんと名前で呼ばないと駄目なんだ｣
｢…俺は『Aさん』じゃない｣

一先ず、術式を使う時は名前で呼ぶ必要がある。
それは分かりました。

｢だからと言って…私も『七ちゃん』じゃありません｣
｢変な名前で呼ぶから、仕返し｣
｢…なら、ちゃん付はやめて下さい｣
｢雄にちゃんを付けたらやめた｣

聞き分けの無い、子供すぎる。
しかも言うだけ言って私たちから走って逃げて行く貴方は、悪戯が成功したので満足。
そんな所だとは思いますが、

『なるべくなら静かで聞き分けの良い子供であれば嬉しい』

さっきまで明後日の方向へ向かって思考を巡らせていた私自身を引っぱたいてやりたい。

｢まぁ、事情があってあんな感じだけど。悪い子じゃないから｣
｢…私には無理です。耐えられない｣
｢きっと七海もお世話になると思うよ？｣
｢…一体どんな術式ですか？｣

先輩に向かって失礼だとは思います。
でも、貴方は確実に私の許容範囲を超えている。
そんな人に自分の命を預けたくはない。

私がやり場の無いイライラを抱えているこの間に、夏油さんは携帯を取り出して誰かと通話し始めました。

｢…七海が術式を見たいって…………来て『A』｣
｢…こんにちは、七ちゃん｣
｢今の所、距離も遠すぎ無ければこうやってさ。私たちが怪我をした時とか色々…｣

突然現れた貴方に驚いて、私は一切の思考を放棄しました。

あの日から結局は色々なタイミングでお世話になっていますが、灰原は貴方の前でだけさん付けをしない事。
伊地知君は頼みに頼み込んで、ちゃん付をやめて貰った事。

それらを知る事となりました。

｢(あの時に直しておけば良かった)｣
｢…七ちゃーん｣

廊下を歩いていると背後から貴方の声がしましたが、大抵はなにか悪巧みをしている時。
なので、なるべく返事はしません。

｢(今更…もう呼ばれ慣れてしまったのが何とも、不本意ではあります)｣
｢……ふふふ｣
｢…何の悪戯をしてるんですか？Aさん｣
｢ん？…五条が描いた絵、貼ってる｣

｢何処に、ですか？｣
｢七ちゃんの背中｣