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57:ロスト・チルドレン ページ8

【椿屋四重奏】

長い、長い事のあらまし
一般人の僕には関係の無い、世界の隠された闇の部分

委員長もあまり良く話を聞いていないというか、多分いつも通り

「(僕と同じ…関係無い事は興味無い、貫いたんだろうなぁ)」
「……それからずっと、ずっとあの子を探してる」

僕が唯一、確信を持って言えるのは

「(僕が最初の呪いをかけてしまった)」

あの日の言葉がこんな後悔を産むなんて、思ってもみなかった


全てをあなたに伝えると、あなたは頭を抱えてしまう

「(僕だって、ずっとそう)」

お茶を出すのも忘れていたから、重い腰を上げて水場へ向かえば、また、あの子を思い出す

「(…此処で初めていれた茶葉は)」

後ろから大きくて深いため息が聞こえてくる
あなたが考え事をしている時は、なるべく触れない方が早く答えが出る

何となくそうなんだろうと感じてはいても、たぶん僕の雰囲気であなたは察してる

僕はそちらに意識を向けないように、茶をいれた


「……やばい匂い、頭ガンガンする」
「………僕もそう思う」
「…香水でも混ぜたの?」

あなたが口もつけないで酷く言うから、僕から先に口をつけてみた

「(あの時は…)…………不味い」
「……飲みたくないわぁ」
「…あなた…本当に失礼」
「……普段なら言わんよ…こんな事」

そう言ってあなたも口をつけようとして、香りで断念したみたいだった
持ったカップをテーブルに置くと、あなたは口を開いた

「お前これからどうすんの?」
「……探す」
「質問変える、お前はどうしたいの?」
「……探したい…僕は会いたい…『何があっても見捨てない』」

この僕への質問で、あなたの未来を変える事にもなる

「……本当に可愛いくないよ…雲雀氏」
「あなたはどうするの?」
「…お前の負担を減らす」
「……悪くないね」

「僕に…任せとけぇ…」
「…頼んだよ……創さん…」


それから9年以上が経った


僕はいま風紀財団の美化委員兼、顧問として働いている

「(何の顧問なのかは良く分からない)」
「…創さん?」
「定期清掃してくるで」

委員長に伝えると、お人形さんを見つけたら連絡が欲しいと言われた

「あと、他の掃除もお願い」
「…承知之助」
「場所は後で連絡する」
「おん、頼む」

「…目立った動きは無いから、後回しでいい」
「僕に任せとけぇ」
「後は好きにして」
「…徹底的に綺麗にしてやるわ」

何時もの事だけど、見ているこっちが苦しくなってくる
あっさりと業務連絡を終えた

58:everything is everything→←56:終列車



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作者名:ゆきみ大福 | 作成日時:2021年1月14日 22時

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