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55:メビウス ページ6

【めいちゃん】

他にも見舞う相手がいるようで、創は未だに並盛病院内
先程と変わり、病室の入口でネームプレートを確認してからすんなりと入室する


「…隼人っきゅーん、お元気してるぅ?」
「チッ…」
「お見舞いに来た先輩にご挨拶なこって」
「…うるせぇ」

俺はあの日から、お前と風紀ヤローに肩を担がれたあの日からずっと苛々が続いてた

「(何なら顔なんか見たくねぇのに)」
「禁煙辛いだろうからガムと飴ちゃんあげようねぇ」

その言葉でタバコの事も思い出して更にイラつく

「…お前何しに来たんだよ」
「おん?だからお見舞「俺には関係ねぇんだろ」

「…なんだそれ?」

お前は呆気に取られた表情で俺を見てくる
その反応にすらイラついて、自然と眉間にシワがよった

「…てめぇが言ったんだろクソ女」
「うわぁ…可愛くない」
「…うっせーボケ」
「おぉん?喧嘩か?」

「…だったら何だ」

俺が言えばお前の眉がピクリと動いて表情が険しくなる
今日は眼鏡もかけて無いから顔が良く見える

そのままの表情でお前は口を開いた

「…それ本気で言ってんのか?」
「じゃなきゃ言うかよ」
「…いきなりなに?キモイんだけど」
「お前に比べたらマシだろ」

それを聞いた途端に静かになって、俺をじっと見てくる
俺はというとその目にまたイラついてた

しばらくそうして見つめ合っていたら、お前は痺れを切らしてため息を吐いた

「はぁ…すまん、僕が悪かった」
「…何がだよ」
「知るかクソ」
「……はぁ?」

「はぁ?じゃねえよタコ、理由言えバカ」
「理由なんか「ねぇんだろ?人に当たり散らかすなガキ」

そういえば俺は何に苛々してたのか分からない
いつの間にかお前の目は睨むでも無く、冷たく見据えてくる

「……あるなら言ってみろよ」

これが最後だと言わんばかりに、吐き捨ててくる

「(理由、理由は)」
「……じゃあ、お邪魔「っんで!」

「……なに?」
「…何で…雲雀と……仲良いのか?」
「……さぁね、お前に何か関係ある?」
「っ俺が!…知りたい」

お前は目を閉じてため息を吐いて、言った

「…委員長に直接聞け、と言いたい」

「でも…聞いてもあいつは言わないはず」

「それだけの覚悟をしてるから、絶対に言わない」

「僕はそれに間接的に関わってる…そんだけ」

断片的な言葉から内容は分からない
でも、お前の表情が暗くなるのを見て俺は後悔した

「(謝っても多分もう…遅い)」
「…じゃ、帰るわ」

俺は部屋を出ていくお前を見られなかった

56:終列車→←54:gasshow



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作者名:ゆきみ大福 | 作成日時:2021年1月14日 22時

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