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0036:魔王―粛清― ページ37

【ギャロ】

「我々の"窓"が受胎を確認したのが3時間程前。避難誘導9割の時点で現場の判断により施設を閉鎖」

【緊急事態のため高専1年生3名が派遣され】

「「受刑在院者第二宿舎」5名の在院者と術士のAさんが現在もそこに受胎と共に取り残されており」

補助監督の伊地知潔高は虎杖、伏黒、釘崎の3人の前で任務の概要を淡々と話す。

「受胎が変態を遂げるタイプの場合、特級に相当する呪霊に成ると予想されます」

"特級"と聞いた瞬間に伏黒と釘崎の間には緊張が走った。
これは通常兵器が呪霊に有効とした場合に、クラスター弾での絨毯爆撃に相当する火力を持つ呪霊である事を意味する。

「なぁなぁ。俺、特級とかイマイチ分かってねぇんだけど」

呆け面で話す虎杖に対して、伊地知は懇切丁寧な説明を施す。

弾単体の破壊力はさほど強くないが、辺り一帯を焦土と化す面制圧に関しては効果があり、合わせて絨毯爆撃となると、どの程度の範囲に渡るのかは不明瞭。
つまり、其れを踏まえた上で未知数なのが特級呪霊であると言う事だ。

「ヤッベェじゃん」
「本来、呪霊と同等級の術師が任務に当たるんだ。今日の場合だと五条先生とかな」

やっと状況を理解出来た虎杖に、何故この様な等級付けがあるのかを伏黒は付け加える。

「で、その五条先生は?」

キョロキョロと虎杖が辺りを見渡しても、名前を挙げられた五条の姿はこの場に無い。
理由は出張に出ているからだそうだ。

「この業界は人手不足が常。手に余る任務を請け負う事は多々あります。ただ今回は緊急事態で異常事態です」

雨が降る屋外。
英集少年院を取り囲む木立の中で佇む伊地知と高専1年生3名。
片手で眼鏡を覆う様にして両縁を指で押し上げ、伊地知は言う。

「『絶対に戦わないこと』特級と会敵した時の選択肢は『逃げる』か『死ぬ』かです」

その場に立つ彼らに、いま「逃げる」選択肢はない。
それでも尚、生存者の確認と救出を行い、危険であれば生存本能に従えと伊地知は続けた。

「あの!!正は。息子は大丈夫なんでしょうか」

一連の会話を終えた彼らに話しかけたのは、如何にも一般人と思しき質素倹約という言葉が似合う女性。
彼女の言葉を聞いて怯む虎杖をフォローしつつ、伊地知は補助監督官らしい職務を全うする。

「何者かによって施設内に毒物が撒かれた可能性があります。現時点でこれ以上の事は申し上げられません」

涙を流す女性と、心を決めた虎杖。

「伏黒、釘崎。助けるぞ」

【内1名 死亡】

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ゆきみ大福(プロフ) - ボブさん» コメントも評価もありがとうございます。文章力が足りなくてすみません(´;ω;`)分からない所を教えて下されば!解説作ります! (2021年7月30日 22時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - お話少し難しいけど、読んでいて楽しいです!毎日更新楽しみにしながら過ごしています!星の一番右端押しました!! (2021年7月28日 14時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ大福(プロフ) - 絶対に出て来るなぁ。笑える。低評価あざーす (2021年4月28日 12時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきみ大福 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mutsuki159/  
作成日時:2021年4月27日 23時

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