17:ダイナマイト ページ18
【東京事変】
遠目に見れば年の離れた兄弟のお使いの様な風景
「ねーねーしーおじー」
「なーにーランボさーん」
「飴ちゃんちょーだい」
「ポッケに入ってるよー」
ランボはシャツの胸ポケットを漁り飴を取り出すと、その瞳を輝かせてモジャモジャの頭に差し込んだ
「ねーねーランボさーん」
「なーにーしーおじー」
「お家はどーこだい」
唸るランボを笑顔で見つめる汐路は内心焦っていた
「(俺めっちゃ不審者じゃん、携帯持ってればお家に連絡できるのに)」
「…えっとねー、綱吉んち!!」
汐路が考えていると、大きな声でランボが言った
「ツナー!!お友達よー」
一階から母さんが呼ぶ声がした
自室でごろごろしていた俺は、こんな時間に誰だろうと思いながら階段を降りていく
何だか母さんの嬉しそうな声がするけど
「んなっ!?ランボと汐路くん!?」
目に入ってきた光景に思わず唖然とする
汐路君がランボを抱っこして俺の家の玄関にいる
「(なにこれ!?どういう状況!?)」
目がちかちかする、幻かな
「お届けものでーす」
はっきりと汐路くんの声がする、しかも俺に向かって笑顔でひらひらと手を振ってる
「幻じゃない!」
ランボは汐路くんの腕から飛び出して、リボーンがいる居間に走って行ったし
「夢じゃない」
母さんは笑顔で汐路くんがランボを連れて来たと俺に話してるけど
俺は呆然としてそのまま固まってしまう
「遅い時間にごめんね、ランボさんがここって言うから」
俺の家だと知らなかった様子の彼は、固まった俺を見て困ったように笑う
「じゃあ俺そろそろ帰るね」
彼はお邪魔しましたと丁寧にお辞儀をして
俺に背を向けた
「あ、ありがとう!」
とりあえず何か返事しなきゃと思って、声をかけると汐路くんは笑顔で振り返って
またひらひらと手を振って帰ってしまった
「(写真!!)」
絶対にいま汐路くんに渡すべきだった
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作者名:ゆきみ大福 | 作成日時:2020年10月20日 17時