二十八話 ページ29
A「はぁ…ほんとに勘弁してほしいよ…」
私は憂鬱な電話を切った あれから一週間すぎ 私のバッサリ切ったお腹はまだふさがらず
やっと部屋の中を少しうろつけるようになったばかりだ
そんな中でまさか仕事に戻れるわけがない でもお腹をかっさばいたので来れませんとか言えないし…
そして当然の結果というか何というか。クビになってしまった
そんな簡単にクビになるかとも思ったがさすがに普段の行いが悪いのと一週間も無断欠勤は
ダメだったらしい
とりあえず隣で洗濯物をたたんでいるコエンマを横目で睨みつけた
A「……どーしてくれんのよ」
コエンマ「それに関しては済まないと思っている ……また霊界に戻ってくるか？
あの時お前を保護したように」
A「それはやだ 霊界なんも面白いものないし
住んでみて思うけどやっぱり人間界の方が居心地いいよ 妖怪に襲われたりするけど」
霊界ではコエンマはとてもよくしてくれた ぼたんも優しかったし
けど…霊界にいるとどことなく違和感を感じて ここは私のいるとこじゃないって思ってたりした
A「でもやっぱり人間界にいないほうがいいのかな 私…
何の力もないようなものだし 力を使ってもかえって迷惑をかけてしまう」
この体質のせいで南野…蔵馬も傷つけてしまった
あいつ どうしてるのかな…幽助はたまにお見舞いに来てくれるけど蔵馬はあの後一度も会ってない
コエンマ「……力が欲しいのか」
A「そりゃ…欲しいよ せめて自分の身くらい守れるようになりたい
桜にばかり頼ってもいられない」
コエンマ「……今度 幻海が弟子を募集するため武闘会を開くらしい」
A「幻海？ 幻海ってあの霊力がめっちゃすごいことで有名なあの？
そんな人の弟子になんてなれないよ そもそも私霊力ないし」
コエンマ「霊力の弟子にはならんでもよかろう せめて体術でも教えてもらったらどうじゃ」
そっか 体術か…… いいかもしれない…今は少しでも自分の身を守る術がほしい
コエンマ「ただその武闘会には 危険な妖怪が混ざってるかもしれなくてな」
妖怪 その言葉に少し…少しだけ反応して肩が跳ねてしまった
コエンマ「いいか…行くのは構わんが 気をつけろよ
一応幽助もこれに参加させる予定じゃ 何かあったら必ず幽助に助けを求めろ
桜も連れて行くんじゃぞ」
「まあ まずは体を治すことじゃな」そう言ってコエンマは私を寝かしつけた
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作者名：緋卯 | 作成日時：2017年12月22日 21時
