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ぶつんと液晶画面が暗闇を映す。次いでスピーカーからアンリさんの声でクールタイムに入るよう指示が為されたためクタクタの彼らに変わってボールくらいは片付けておいてあげようと再び拾い上げた時、ふと私の視界に影が差した。振り返るとそこには世一がいた。
「Aさん! ちょっと聞きたいんだけど」
「うん?」
「……Aさんの身体能力の高さはわかった。でもそれ以上に、Aさんにも見えてるんじゃないかと思って」
「見える……?」
「俺の武器は"空間認識"。後半はサッカーの試合の時みたくそれも存分に使えてた……と思う。でもAさんは俺の把握能力を超える動きを見せてくる。穴を狙って逃げていく……まるでAさんも、全部が見えてるみたいに」
「…………え、わかんない」
「はぇ」
世一のその長所に関してはアンリさんたちがまとめるデータにも記載があったのでもちろん見ているし、試合の映像を見ていてもゲームメイクに長けてはいると思ってた。けど私自身としては世一の思考なんて全く分からないし、ただ逃げられるところに逃げようというそれだけの事だったので見える・見えないというのに関しては全く、何のことだか分からなかった。思わず困惑の声でわからないと言うと世一は世一でその返答は予想していなかったのか首を傾げた。
「え、じゃあ俺の予測を超えた動きは……」
「……む、無意識……?」
「……! つまり反射! そうか反射!!」
「はん、え……??」
「まだ考えることを考えてたけど、そうだ。思考を反射ですることを癖付けないと一生追いつけない……!!」
何?こわ……
突然ぶつぶつ喋りだした世一に困惑を倍増させているとトントンと肩を叩かれた。廻だ。彼は「潔のあれは割といつものことだから」と気にしないでいいと言ってくれる。
「それはそうとやっぱすっごいねAちゃん! 怪物の言った通りだ!」
「かい……んん??」
「え? Aちゃんの中にもいるっしょ、怪物!」
「…………」
私はそんな廻からゆっくりと距離を取り、近くにいた照英の背に隠れた。
世一も廻も、何かよくわかんないこと言ってる……
「あれ? 俺なんか変なこと言った?」
「怪物だのなんだのだろどう考えても」
「えー?」
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綾人 - コメントに返信ありがとうございます。今回も面白さや文章力が爆発してますね！そして今回も私の好きなキャラがいるなんて！士道や冴や愛空がいて、セリフがなくても存在しているということが嬉しいです。今後も私が楽しみにしている作品を続けてもらえると嬉しいです (7月30日 11時) (
レス) @page44 id: 37a56df5f0 (このIDを非表示/違反報告)
ことこと(プロフ) - 綾人さん» コメントありがとうございます！身に余るお言葉とてもとても嬉しいです……！今後とも今作品をどうぞよろしくお願いいたします。 (7月30日 10時) (レス) id: fe3705f0cd (このIDを非表示/違反報告)
綾人 - コメント失礼します。作家さんかと思うくらい、文章の構成も表現も凄くて、何より二つの作品をここまで綺麗に一つの作品に出来るのか！？という驚きもあります、これからも作者さんはもちろん、この作品も応援させていただきます。無理せず頑張ってください。 (7月29日 22時) (レス) @page41 id: 37a56df5f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことこと | 作成日時：2023年6月9日 21時
