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そこら中に蔓延る4級共は兎も角として、このブルーロック内では、こういった人に危害や影響を与えるものたちは元々生きていた人間だった可能性が高い。どちらかと言えば呪術師の仕事というより霊媒師の仕事だなと思いつつもこうして呪霊に昇華してしまうところを見るとやはり我々で適任だったとも思う。
偏に地中内の何かの呪物と過去の土地での信仰や暮らし。それらが吹き溜まりを作る要因となっているわけである。
「……キリないな」
泣き声に混じって嫌嫌、と聞こえる声にやっぱりと思いながらも先程同様銃を構えた。
バスンという小さな音と共に放たれた銃弾は真っ直ぐに件の幽霊の脳天をぶち抜いた。赤ではない、形容しがたい色の血を吹き出し倒れた呪霊はまるでバグを引き起こしたみたいにいろんな言葉を繰り返し、やがてしんと黙って消滅した。
「終わったよ」
「やっぱ銃なんだ……」
「な、何がいたんすか? 結局……」
「慰み者」
「なぐ……??」
「……知らないなら知らなくていいよ」
ホルスターにまたしまった銃を目で追う赤髪の男の子に怖いかと尋ねるとブンブン首を振って、ただかっこいいなあと思って、と言う。
……そうか、彼らにとって銃なんてものは遠い存在で、空想のものであるイメージの方が強いのであろう。
危ないから触っちゃだめだよと言うと触らないよと至極当然と言った返答が来たので安心する。
残りの減少に関しては夜に発生するのを纏めて祓除するということで一度少年たちと別れる。
呪霊巡り開始前に解散していたアンリさんと再び合流して絵心さんの元へと結果を報告しておく。
「恐らく……過去存在したこの土地の信仰や風習が、"ブルーロックプロジェクト"という蠱毒紛いの現象により発生した多くの人間の負の感情に触発されて具現化し始めてる…………というのが私の見解です。約200年前のこの土地には確かに人の住む村が存在していて、そこでは独自の宗教が展開され所謂神に生贄を捧ぐという行為もあったそうです」
「…………」
「……」
「……あの、」
「……君、なかなか仕事ができるらしいね。よくもまあこの短時間でそこまでの解析が進んだものだ」
「スマホとインターネットがあれば嫌でも情報は手に入れられますからね」
「でも頂けないのはこのプロジェクトは決して蠱毒ではない。断じて」
「えぇ…………」
「えぇ……じゃない。蠱毒ではない。はい復唱」
「……蠱毒ではない」
「よろしい」
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タキタカ(プロフ) - 「へぇ。俺そういう映画とか見たことないから知らないや。というかさっきからオシャさん何ぼーっとしてんの?」 「……オシャ!!!」 「何!?!?」 〜「何て……??」ここで声出して笑いました。面白いです! (9月17日 22時) (レス) @page22 id: baee95592f (このIDを非表示/違反報告)
ことこと(プロフ) - ぐらす。さん» コメントありがとうございます!pixivの方でもお読みいただき光栄です。今後とも是非、よろしくお願いします! (5月24日 9時) (レス) id: fe3705f0cd (このIDを非表示/違反報告)
ぐらす。(プロフ) - pixivでもこの作品見てました。やっぱり面白くて好きです。pixivのほうでも無理しない程度に頑張ってください! (5月22日 17時) (レス) id: 6255010be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことこと | 作成日時:2023年5月15日 18時