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どうもとお辞儀をして甚八さんに関する可笑しな勘違いを訂正しておく。
「できるだけ皆のこと名前で呼びたいの。甚八さんって呼んでるのもそれだけだよ」
「なぁんだ。ならアンリちゃんも?」
「アンリさんって呼んでる」
「俺のことも廻呼びだもんね!」
「はぁずっこ。俺のことも名前で呼んでや」
「影汰ね影汰。Aちゃんって呼んでい?」
あっという間に男の子たちに囲まれ萎縮しながらもコクコク頷くと旅人と影汰は嬉しそうにする。この2人は積極的にコミュニケーションを取ってくれて大変嬉しい限りだ。よく、表情が変わらないから楽しそうに見えないと言われる私だがお喋りするのは好きである。
新しいお友達だと勝手にホクホクしているとんでさ、と旅人が疑問を提示してきた。
「ジュジュ……って何?」
「ゴーストバスター!」
「違う。呪術師」
相変わらず廻は呪術師という単語を覚えてくれない。というか多分訂正する気がハナからないだけだとは思うけど。
呪術師、と言って首を傾げる周囲の選手らにうーんと悩む。
呪術師の業務内容を教えるにしても専門用語まみれで何から言っていけば分からない。まあ廻の言う通りやってることはゴーストバスターなんだけど……
「……まあ、お祓いみたいなものかな……?」
「殴る蹴るでお化け退治するタイプの霊能者だもんねAちゃん」
「霊能者じゃない呪術師」
「もー細かい!」
ケラケラ笑う廻に引きずられるまま旅人と影汰に別れの挨拶をして、その後訪れたのは世一たちの元だった。
「Aちゃん連れてきた!」
「連れられた」
「Aさん! おい蜂楽、あんま仕事の邪魔しちゃ」
「いいよ、それに夜ご飯まだだったし」
一緒にいい?
そう聞くと世一や、一緒に食事をしていた面々は少し気まずさを残しつつも頷いてくれた。
選手らと同じようにカードをかざして食事を受け取る。野菜炒めだ、美味しそう。思わず涎が出そうになるのをぐっと堪えて席に戻るとここですと言わんばかりに椅子を引いて待ってくれている廻に笑ってしまった。
「さぁどうぞどうぞ」
「ありがとう」
カタンとトレイを置いて椅子に腰かけると正面に座っていた世一が嬉しそうに話しかけてくれる。
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タキタカ(プロフ) - 「へぇ。俺そういう映画とか見たことないから知らないや。というかさっきからオシャさん何ぼーっとしてんの?」 「……オシャ!!!」 「何!?!?」 〜「何て……??」ここで声出して笑いました。面白いです! (9月17日 22時) (レス) @page22 id: baee95592f (このIDを非表示/違反報告)
ことこと(プロフ) - ぐらす。さん» コメントありがとうございます!pixivの方でもお読みいただき光栄です。今後とも是非、よろしくお願いします! (5月24日 9時) (レス) id: fe3705f0cd (このIDを非表示/違反報告)
ぐらす。(プロフ) - pixivでもこの作品見てました。やっぱり面白くて好きです。pixivのほうでも無理しない程度に頑張ってください! (5月22日 17時) (レス) id: 6255010be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことこと | 作成日時:2023年5月15日 18時