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情けない声を上げて椅子を倒してひっくり返った時光くんに急いで謝る。そんなに驚くとは思わなかった。
蜂楽くんが手助けして椅子に座り直した時光くんには謝罪の念も込めて肩に載っている蝿頭を祓ってあげる。ぺしぺしと二度ほど肩を叩くとすっかり消滅した蝿頭に彼も異変を感じ取ったのか肩をぐるりと回して驚いた表情を見せた。
「え、あれ!? 肩がすごく軽くなった……!」
「うそマジ!?」
「ほぉ……」
「……」
「いても大して影響はないけど、肩に載ってるのは重いだろうから……」
「あ、ありがとう……! えっと、」
「A」
「みょ、苗字は……」
「A、名前で呼んで」
「あ、はい。じゃあえっと、ありがとうAさん」
「どういたしまして」
私はそう言って立ち上がる。蜂楽くんがもう行っちゃうのと言うのに頷いて椅子を元に戻した。
「別のところにも話を聞きにいかないと」
「そっかぁ。またここ来てくれる?」
「うん。一応毎日各所まわるつもり」
「じゃあこれから会えるんだ!」
「うん。何かあったらすぐに言ってね」
「はーい!」
「じゃあ失礼します」
蜂楽くんらにお辞儀をしてその場を後にする。
そうか、ここは一番ステージの進んでいるチームのみの食堂。ならもっと人の多いであろう下のステージ用の食堂に行かなくては。
そう考えスマートフォンを起動する。写真フォルダを開いて該当のものを拡大した。これはブルーロック内全体の地図。確か私のいる食堂がここで……と照らし合わせながら私は再び廊下へと足を踏み出した。
「……結局あの人、本当にゴーストバスターなの?」
「呪術師だろ」
「え、凛ちゃん知ってるの?」
「映画とかで出てくる」
「へぇ。俺そういう映画とか見たことないから知らないや。というかさっきからオシャさん何ぼーっとしてんの?」
「……オシャ!!!」
「何!?!?」
「AA、名前もオシャ!! 佇まいもオシャ!!! 何より……あの美しい髪、オシャ3つ!!!」
「何て……??」
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タキタカ(プロフ) - 「へぇ。俺そういう映画とか見たことないから知らないや。というかさっきからオシャさん何ぼーっとしてんの?」 「……オシャ!!!」 「何!?!?」 〜「何て……??」ここで声出して笑いました。面白いです! (9月17日 22時) (レス) @page22 id: baee95592f (このIDを非表示/違反報告)
ことこと(プロフ) - ぐらす。さん» コメントありがとうございます!pixivの方でもお読みいただき光栄です。今後とも是非、よろしくお願いします! (5月24日 9時) (レス) id: fe3705f0cd (このIDを非表示/違反報告)
ぐらす。(プロフ) - pixivでもこの作品見てました。やっぱり面白くて好きです。pixivのほうでも無理しない程度に頑張ってください! (5月22日 17時) (レス) id: 6255010be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことこと | 作成日時:2023年5月15日 18時