短編集《JW》

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red side



目が覚めたらイケメンの顔が目の前にあってびっくりしました。




最初は「え？なんで裸？」って訳わからんかったけど。


そういえばついに一線超えましたわ。


途端に昨日の望のかっこいい顔とか、無駄に色っぽい声で「大毅」って初めて呼ばれて思いの外心臓にキた事とか全部鮮明に思い出されて。


「しげ？顔見せてや？」

恥ずかしくなって距離をとったのに、ぐいっと引き寄せられて逃げられなくなる。


「いや今まじで顔あかんねんて」

「あかんくないよ、全部かわええで？」


ぐいっと顔を上に向けられると瞼に1つキスを落とされる。

…何やこれ!!砂糖吐きそう!!少女漫画やないか！




望ってこんなゲロ甘やったっけ？
甘えたやし、もうちょい子供やと思っててんけどなあ。


……いつの間にか大人になってたんかな。


なんか知らんけど俺より慣れてるし。いっちょ前にキスマークとかつけやがって。しかもそれで結構嬉しいって思ってる自分がいて、悔しい。




まぶたを軽く擦られておもわず目を瞑る。

「目の周りちょっと腫れてんで。ごめんな、泣かせてしもて。痛かったんやろ?昨日。」

「痛かったけど、泣いてたのは、あの、ちゃうくて、」

「いや、めっちゃ泣いてたやん自分！ほんまに俺ビビったんやからな!!」



まあ、普段から涙もろい望とは違って俺は殆ど人前で泣くことなんてないからなあ。

望も昨日「え！しげどしたん？痛い？」ってパニクって自分がめっちゃ泣きそうな顔なってたし。



痛かったのは、本当。まあ、でもそれはしゃあない。これからちょっとずつ慣れてけばええだけやし。





けど、泣いてたのは痛かったからやなくて。

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