短編集《JW》

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pink side




「望」


いきなりめっちゃ真剣な顔をして流星が布団の上で正座する。つられて俺も正座で向き合う。なんやこれ。

「まず、誕生日おめでとう。ごめんな、ちゃんと祝ってやれんくて。」

「えっ、ええよ全然！また今度デートは行けばええし！」


まあ、残念やったのはほんまやけど。

甘える流星というレアなもの見れたから結果オーライ。

「……ほんまはな、今日どうしても言いたいことあってん。ちょっと布団の上で申し訳ないけど、聞いてくれん？」


「…ええよ」

言いたいことって何やろ。別に流星の事を信用してない訳やないけど、嫌な想像しか思い浮かばない。



「あんな、望の20歳の誕生日の時、俺が何て言ったか覚えとる？」


「…ずっと一緒におったるって…」

「そ。まあ、あれから3年経って、お互いにまた大人になってさ、色々経験も積ませてもらって、色んな人ともまた出会って。」

「…うん。」

「そこで望に確認なんやけど、まだ俺の側におりたい？」

「…へ？」

「多分、やり直すならほんまにこれがラストチャンスやで。今やったら、女の子と幸せな家庭を築きたいって言ったら手放してあげられる。」


流星の目は、真剣そのもの。

いっつもそう。自分の要望よりも、俺の我儘ばっか優先してくれて。




けどな、流星。これに関しては俺、もう答えはずっと前から決まってんで。変える気ないねん。

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