短編集《JW》

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red side



仕事から帰ると、家の中がやけに静かやった。

小瀧の方が仕事はよ終わってるから家に帰ってきてると思っててんけど。

いつもは俺が遅い時は返ってきたらほんまに犬みたいに「おかえり!!!しげ!!!」って無駄にハイテンションで玄関まで迎えに来てくれんねん。


…そういやさっき神ちゃんから『小瀧俺らと飲んでるから心配せんといてな！』って連絡入っとったわ。

あと、『のんちゃんにもうちょっと素直になってあげてや…』って謎のご忠言も。

今日テンション低かったし、どないしたんやろ。






可愛くて、かっこ良くて、面白くて。俺には勿体無いくらいの人。




ほんまに好きで、大好きで。けど、行動とか言葉で好きって上手く表現できひん。どうしても照れてしまう。


俺に対してすっごい愛情表現してくれるもんやから、いつもそれに甘えて、ついつい逃げてしもうて。

淳太くんとか神ちゃんにも「お前もうちょっとのんちゃんに優しくしたれや」って言われるぐらい。


しゃあないやん!!!照れてまうねん!!!どうしたらいいか分からんくて逃げ出してしまうねん!!


精々たまにキスをするぐらいが俺の限界。それも結構ちょけたり、拒否ったりとぐずぐずしてやっとするって感じ。ムードもくそもない。

キス以上小瀧もしてこようとせえへんし。あんま俺ってそういう目では見られてないんかな。



そんな感じでぐるぐる考えてたら、インターホンがタイミングよく鳴った。

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