Overdose 04 ページ6
《 リノside 》
「チャギヤ〜チャギ〜！」
「うるさっなに？なんですか？」
音楽番組の控え室。
今回はトーカ用のカメラが入っているが慣れてしまった俺たちは何ら変わらない時間を過ごしている。
ふむ。
なんだか、気分が良くない気がする。
自分のことなのにまるで他人のようなこの感覚で辺りを見渡す。
そして見つけた俺のソウルメイト。
差し入れのお弁当をモグモグと頬いっぱいに詰めるハナだ。
本当にリスになってしまいそう。
チャギヤ！と叫び続ければ自分の事だと気づいたハナが嫌そうに笑いながら返事を返してきた。
「お〜チャギヤ。本当にリスになってしまって」
「アニｯ、リスじゃないから！幸せを呼ぶクアッカだから！」
「うんうん、冬眠のためによく食べるんだよ」
「リスじゃないってばー」
ハナはそう言いながらもまた弁当のお米を頬いっぱいにほうばった。
うーん。
ハナと絡んでもやっぱりなんだか気分が良くない。
大体、ハナと絡んでスンミナかヒョンジナをいじってたら気分が良くなるのに。
今日はなんか違うみたいだ。
「A、起きろ、そろそろ起きないと浮腫むぞ」
「んー…まだ、ねむい…ヒョンもう少しだけ」
「あと少しだけだぞ？」
少し離れたソファから聞こえるチャンビナとAの声。
そっちを見ればチャンビナの膝枕で寝るAがいた。
その膝枕、硬そうだけどよく眠れたな。
ってそんな事はいいよ。
なんで眠いのに俺に膝枕してって言ってこないの？
ずんずんと2人に近寄ってやればそれに気づいたチャンビナが少し困ったように「な、なに」と聞いてくる。
「やー！起きろ！！A！」
「っ！！」
「ヒョン！そんな起こし方しなくても」
大声でAを起こしてやる。
俺以外の膝で寝るAになぜかムカついたから。
凄い勢いで飛び起きるAと可哀想だと擁護するチャンビナ。
「やりすぎだよ、ヒョン」
いつの間にか後ろにいたヒョンジナがそう言ってきた。
「浮腫んで本番に病むくらいなら起こした方がいいだろ」
「…素直じゃないんだから」
ヒョンジナはそのまま俺を通り過ぎてどこかに行ってしまった。
素直じゃない？
チャンビナに甘えるAにムカついたから叩き起した。
俺は十分に素直だ。
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作者名：山田 | 作成日時：2023年2月7日 0時
