【男主／中編小説】ねぇ、ヒョン。 (ページ35)

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Overdose 33 ページ35

《ヒョンジンside 》

“Aが倒れた”

その連絡を貰ってスンミナと慌てて向こうの宿舎に走った。

「あ、ヒョンジニヒョンとスンミニヒョン」

「はぁはぁ…Aは？」

「はぁ…はぁ…何があったの」

スンミナと2人で息を切らしながら部屋に入れば、リノヒョンの部屋で眠らせているとの事だった。

ああ、寄りにもよってヒョンの部屋か。

黒い気持ちが心を覆うが今はそれどころじゃない。

ヨンボガが言うには、寝不足かもしれないと言っていた。
そう言えば、リノヒョンに声をあげられてからAはまともに眠れてなかった。

「ヒョンジン…Aの傍にいてあげて？」

ヨンボクがそう言って、部屋に持っていくはずだったスポーツドリンクや荷物を渡してきた。

「ヒョンジナ。もしかして、Aと付き合ってる？」

「え…」

「Aからは聞いてないよ？ただの勘。と、言うか…わざわざ自分のリングを渡すなんてそういう事なのかな？って。ほら、僕も付けてるからカモフラージュになるし？」

そう言って、ヨンボクは人差し指に付けたお揃いのリングを見せてくる。

確かにヨンボクの言う通りだった。
このリングはSTAYとのカップルリングであり、ヨンボクとのお揃いでもある。

だからこそ、付き合ったと公開できないこの関係性をカモフラージュする為には2人で分ければいいと安易に思った。

「よくリノヒョンに勝てたね」

「……勝ててないよ」

「あー…OK。そういう事ね……僕からはなんとも言えないけど、大切な人ならちゃんと傍に居てあげて」

ヨンボクは何かを察したのか、そのままどこかに行った。

「あ、ヒョンジナ。今、マネージャーから連絡きてとりあえず目が冷めたら病院に連れていくってさ」

「……分かった」

「大丈夫？ヒョンジナまで顔色悪いけど」

「うん、大丈夫。Aの傍に居るから何かあったら呼んで」

「わかった、ちゃんとそばに居てあげて」

スンミンと別れそのままリノヒョンの部屋へと足を向けた。
軽くノックして部屋に入れば、部屋中にヒョンの匂いが広がっててなんだかモヤモヤとした。