【男主／中編小説】ねぇ、ヒョン。 (ページ28)

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Overdose 26 ページ28

《スンミンside 》

リノヒョンが自宅で活動休止になってからAが変わった気がする。

相変わらず、目の下はクマが酷いんだけど……
なんて言うか感情が1つ欠落してしまったような、そんな顔つきになってしまった。

リノヒョンの問題は、幸いにも活動期間が終了して少しの間オフが貰える時期だった。

だから、皆それぞれに時間を過ごしていた。

珍しく僕らの宿舎に遊びに来たA。

リビングのソファに小さくなるように座ってイエナとドラマを見ている。

ヨンボガももうそろそろ起きてくるかな？
それなら何かご飯でも皆で頼んで食べたいんだけど。

「Aーイエナー、何か出前頼むー？」

「わ！そうしよう！Aヒョン何食べたい？」

「えー何にしよっかな」

「ヨンボガも起きたら頼もうと思うからそれまでに決めてて」

そう返せば2人とも軽く返事をしまた、ドラマに夢中になってしまった。

Aへの違和感はあの日から確かにあった。
冷たく微動だにせず、リノヒョンの記事を見る目。

あの日から変わってしまった顔つき。

ヒョンジナなら何か知ってるかな？

そう思い部屋に戻りながらヒョンジンに電話をかける。

『なに…まだ寝てたんだけど』

何回目かのコールでだるそうな声が出た。

「ごめん、Aのことで気になることあって」

『なに？』

「あの日からAの感情？が無いって言うか、なんだろ……何か様子がおかしくない？」

どう言葉に表していいか分からない。
ハッキリとした所を言葉に出せないせいで曖昧な話をヒョンジンに言ってみる。

『……』

「そっちで過ごしてる時はどんな感じ？」

『……あー』

何かを含んでいる言葉。

なにか隠してる？

「絶対何か隠してるだろヒョンジナ」

僕の言葉に深いため息を吐いたヒョンジナ。

その後の言葉に僕は耳を疑った。

『Aと付き合うことになった』

「…………は？」

理解するのに時間がかかる。
どういうこと？この前、ヒョンジンは付き合うつもりはないって言っていたはず。

だって、自分じゃAを笑顔に出来ないからって。

「ど、どういうこと？」

『待って、スンミナ午後空いてる？その時に…話する』

「あ、うん。分かった」

いまだに追いつかない脳内と一方的に切れた電子音だけが耳に鳴り響いた。