Overdose 21 ページ23
《 スンミンside 》
あの事件から気まづくも数日経ってしまっていた。
Aとリノヒョンはすっかり距離を置いてしまって、これじゃあハッピーエンドも何も無い。
問題を起こした張本人もまさかあんな事になるなんておもってなかったのか、ハナまでも元気が無い。
「なんであんなことしたの？」
ハナにそう聞けば「怒らないでよ。」とだけ返された。
「怒ってない。まさか、ハナはAが好きなの？」
あれ？これ数日前も言ったことある言葉だな。
「メンバーとしては好きだよ？でも、リノヒョンがAに思ってる感情ではない」
「あ。ハナも気づいてるんだ」
「まぁアレだけA、Aなってたら特別な感情持ってるくらいはわかるよ流石に」
割と鈍いハナですら気づいてるんだから、やっぱりリノヒョンってわかりやすいんだね。
まぁ当の本人は自分の気持ちにすら全く気づいてないけど。
「もしかして、リノヒョンが嫉妬すればAへの気持ち気づくとか思ってた？」
「うっ……」
「リノヒョンがどう考えても無自覚で嫉妬深いこと見ててわかるじゃん！」
「いやぁ、まさかあんな感じになっちゃうなんて思わなかった。嫉妬して、あれ？俺ってAのこと……ってなると思ってたからさ…」
「はァ……アニメの見すぎだよハナ。現実はそんな上手くいかないんだから」
「リノヒョンって本当にAのこと大好きじゃん？素直じゃないけどいつもAの事見てるし。それに気づかないAもAで鈍感すぎるんだよ」
それはそうなんだけど。
絶賛、ハナのせいであの二人のハッピーエンドはかなり遠くなっちゃった訳で…。
ヒョンジナですら困り果てて為す術がないんだからどうしたらいいんだろ。
2人はお互い惹かれあってるはずなのに、何でこんなにも上手くいかないんだろうか。
最初は見てて面白かった。
きっとすぐに2人は結ばれてコソコソ付き合うんだろうなって思ってた。
なのにどうして、こんなにも遠回りしてしまってるのか。
好きという感情に鈍感なリノヒョン。
Aの絶対的立ち位置になりたいヒョンジナ。
リノヒョンとなるとポンコツになるA。
2人をくっつけたい一心で無茶ぶりをしたハナ。
これは、更に面倒な事になりそうな気がした。
つい先日までは3人の問題児が今は4人目が出てきてしまったんだから。
「はぁ…面倒くさ」
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作者名：山田 | 作成日時：2023年2月7日 0時
