【男主／中編小説】ねぇ、ヒョン。 (ページ18)

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Overdose 16 ページ18

《リノside 》

なにあれ。
今目の前の光景を見たくもないのに目が離せない。

本当になにあれ。
意味のわからないメンバーとのカップル企画。

別にそこは気にしてないよ。

ただ、最近一緒に居られてないから、
ヒョンジナより先に選べる俺がAを選ぼうって決めてた。

それなのに、なんで？
1番目のハナがまさかAを選ぶなんて。

誰が想像ついたと思う？
思わず驚いて声が出た。

それに加えてケーキの食べさせ合いをしたり、恋人繋ぎで歩いたり、途中のクイズ大会ですらベタベタとハナはAにくっついてた。

モヤモヤとする感情に上乗せされる苛立ち。

「コラ、リノ。今は収録中だよ」

小声でチャニヒョンに注意をされた。
どうやらAとハナのことを見すぎてたみたいだ。

「さて、次の企画は～ドキドキ心拍数ゲーム！」

スンミナの言葉に嫌な予感がした。

青を引いたメンバーが手首に心拍数を図る装置をつけられ、赤側がどれだけドキドキさせられるかで勝負が決まる企画。

それぞれ順番にそれなりに面白く、いちゃつきながらもこなしていく。

ついに、きた。

Aとハナのペア。

自分の番の時よりも心拍数が上がってる気がする。
心臓が痛くなるくらい脳内に鳴り響いた。

「Aいくよー」

「うん」

Aの顔が少し青い気がした。
もしかしたら体調が悪いのかもしれない。

でもコレで収録は最後だしこの企画が終われば即エンディングになるためカメラは止まる。

ハナが横目で俺を見た気がした。
何を考えてるのかわからないが怪しく笑ったのを俺は見逃さなかった。

「A～Aちゃ～ん」

「ん、んふふふ」

ハナがこしょこしょとAの首周りを触っていた。
こそばゆいのか笑いを我慢するA。

そんな二人のやり取りをがまるで恋人同士のイチャつきにしか見えなかった。