Overdose 14 ページ16
《 リノside 》
ある日。
「あ、A」
「A、一緒にコンビニ行こう」
「ん、いいよー」
そのまたある日。
「おい、A」
「A〜一緒に動画見よう」
「おっけー！」
「ｯﾁ」
最近スンミナとヒョンジナが俺がAと関わろとすると邪魔してくる。
そのせいか、仕事以外でAとは会話や絡むことすら数少なくなってしまった。
イライラとモヤモヤが感情を支配する。
現在進行形で、スンミナにもたれかかってスマホを弄るAに苛立ちがヤバい。
そんな可愛い顔して、他の男とくっついてムカつく。
「リノヒョンどうしたの怖いんだけど」
ハナが呑気にコーヒーを片手にやってきた。
「別に」
「あ〜な、る、ほ、ど」
「なに」
ニヤニヤとしてくるハナに苛立ちが増した。
1発腕を殴ってやれば「八つ当たり辞めてよ」と返された。
八つ当たりってなんだ。
「ヒョンってば、Aをスンミナに取られて怒ってるんでしょ？」
「……」
「わっかりやす〜…てか最近Aからヒョンの所に来ることも無くなったよね？嫌われちゃったんじゃない？」
そういいながらズズっとコーヒーをすするハナ。
嫌われた？そんなことあるのか？
だってAは俺に懐いてるし…。
「ヒョン、そろそろ気づいたら？」
「なにを」
「Aのこと、気になるんでしょ？」
「？？」
「うわー、まだ気づかないんだ。鈍感すぎてさすがに引く」
「何言ってんだ？」
「……ヒョンさ、早くしないとスンミナかヒョンジナにA取られちゃうよ？」
ハナの言っていることが理解できない。
気になる？スンミナやヒョンジナにとられる？
別にAは誰のものでも無い。
取られることも奪われることもないだろ。
それに気になるのは、Aは自分にだけ懐いてると思ってたから。
「これは重症だ…あ、そうだ、ヒョン！俺に任せて！」
「え、なにを」
「うんうん。俺ってば超優しい〜」
ハナは何やら楽しそうにどこかに行ってしまった。
まさか、この数時間後にあんな事が起きるなんて誰が想像しただろう。
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作者名：山田 | 作成日時：2023年2月7日 0時
