【男主／中編小説】ねぇ、ヒョン。 (ページ14)

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Overdose 12 ページ14

《スンミンside 》

困った。これは困ったぞ。
リノヒョンもAもヒョンジナも拗らせすぎて困った。

まず、リノヒョン。
Aへ向ける好意は、もう人を好きになったばっかの小学生男子でしかない。

好きだからちょっかいを出す、話したいから嫌がらせをする、嫉妬したから不機嫌になる。

いやいやいや。
え？成人男性ですよね？？？

恋したことないのかな？…………無さそうだな。

次にA。
Aは多分、いまだにリノヒョンへ向ける感情を消そうとしてる気がする。

その反動で見たことないくらい悲しそうな顔を普段でもするようになった。

目の下のクマも凄いし…1度受け止めちゃった感情を消すことなんて出来るわけないじゃん。

両片思いなのに、お互いが拗らせてるから…いやリノヒョンが1番拗れてるけど。

そのせいで、見てるこっちがしんどくなる。

さて、最後にヒョンジナね。

多分…いや、絶対この子居なかったらAとリノヒョンは割と早い段階でハッピーエンド迎えてる気がする。

リノヒョンがAに構おうとしたら間に入って、Aがリノヒョンに向こうとしたらまた間に入って……

精神が不安定になったAをわざわざ慰めに行って。

僕とヒョンジナ以外誰もいない控室。
いい機会だと思った。

「？何？スンミナ」

「悪いやつだね」

「ん？なんのこと？」

お前の事だよ。

「なんで応援してあげないの」

「なんの事だよ？」

「リノヒョンとAのこと」

そう言ってやれば驚いたように目を見開いた。
そして、普段と変わらないニンマリとした笑顔でこう返してきた。

「Aの精神安定剤は俺じゃないとダメなんだ」

「ヒョンジナはAの事好きなの？」

「うん、ずっと好きだった」

「わざとAのメンタル崩して慰めてる癖に？」

「わぁ。スンミナ……凄い、探偵なの？よくそこまで気づいたね」

ああ、やっぱりそうなんだ。
ちょっとヒョンジナが怖くなる。