Overdose 11 ページ13
《 Aside 》
本当はわかってた。
この感情がいけないことだってわかってた。
でも止まらなかった。
沢山泣いた。
沢山諦めようと頑張った。
その度、好きだってことを思い知らされた。
「ハナ、可愛いな」
「当たり前でしょ〜」
目の前で繰り広げられてる光景に目をつぶりたくなる。
リノヒョンに肩を抱かれて歩いてるハナ。
さも当たり前のようなその光景は嫌という程見てきた。
こういうのを見る度に再び、諦めたい気持ちがつのってくる。
深いため息を誰にも気づかれないように吐いて少しでも心にゆとりをつくろうと必死になる。
するとズシッとした重たさと包み込まれる感覚に直ぐに誰が来たのかわかった。
「んっヒョンジナ」
「A、疲れた」
頭の上から聞こえるヒョンジナの声にさっきまでの悲しさが落ち着いてくる。
「んー重いっ」
「お！？誰が重いって!?このやろ！」
「あははっやめて、体重かけないでよ潰れる！」
上からのしかかるヒョンジナとふざけてワイワイしてる時が1番何も考えなくていい。
「その身長わけてよ」
「ダメダメ、Aはその身長がいいんだよ」
「やだよー成人男性にしては小さすぎるよー」
「ちっちゃくて可愛くていいじゃん、ウリキヨミ〜」
ウチュチュと赤ちゃんをあやす様に顎下を触られる。
「やめろー」
「ははっ元気になったみたいで良かった」
「あ…はは。さすがヒョンジナ」
ヒョンジナには適わないや。
いつも、ありがとう。
僕とヒョンジナはくっついたまま車に乗るまでの移動時間を過ごした。
「リノヒョンどうしたのー？」
「……ううん、別に」
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作者名：山田 | 作成日時：2023年2月7日 0時
