Overdose 10 ページ12
《 リノside 》
わからない。
本当にわからない。
Aが他の奴と仲良さそうにしてるとモヤモヤする。
甘えて頼ってるのをみるとイライラする。
なんでそう思うのかもわからない。
だから、今もスンミナと仲良さげに会話してるのもムカつくし、内容も気になる。
きっと2人にしかわからない世代の話をして2人で大笑いしてる。
同い年だから仕方ないって？
そんなの関係ない。
だから通りすがりに肩をぶつけた。
「ｲﾀｯ！リノヒョン！！」
「おー、居たのかA〜見えなかったからぶつかっちゃったよ」
「ヒョン絶対見えてたじゃん」
「うるさい」
スンミナの言葉に悪態をついてその場を離れた。
ちょっとでもAと会話できて俺を見てくれたことにさっきまでのイラつきがマシになる。
この感覚ってなんなんだろ。
少し前まではこんなこと全く思わなかったのに。
ボーッと答えも見つからないことを考えていれば目の前にチャニヒョンが現れた。
「リノヤ…Aに嫌われるよ？」
さっきのやり取りを見てたのかな。
「嫌われる？なんで？」
「わー…気づいてないのね。ヒョンとしては微笑ましいんだけど、Aは繊細なんだから優しくしてあげてね？」
「？？」
ニコニコとした顔でそれだけ残してどこかに行ってしまった。
微笑ましいって何？
てか、俺ってAに優しくしてるつもりなんだけど？
昨日だって寝る前に電話してあげたし。
面白いと思ってハナの変顔の写真もあげたし。
プリンだって先に譲ってあげるし。
「リノヒョン？なにしてるの？」
スンミナとの話が終わったのかいつの間にか後ろにきていたAに声をかけられた。
メンバーの中で1番低い身長のAはどこか小動物感が増す。
ハナとはまた違う小動物感。
「なんか怒ってる？」
「いや。怒ってないけど」
「けど？」
首を傾げるAの胸の辺りがギュッとなった。
なんだろ、この感じ。
「かわいい」
「え」
思ったことをそのまま口にしてみた。
うん。これだ。
俺はAが可愛いんだ。
小動物みたいで。
「かわいい」
「うっ、な、なに急に」
耳を赤くするAが可愛くて仕方なくなる。
頭を撫で回してやれば更に赤くなる耳に愛しいと感じた。
「小動物みたいでかわいい」
「…ぁ、そっか」
なぜか眉を下げて笑うAに不思議に思った。
小動物って言われて嫌だったのか？
わからないけど、Aが可愛いに違いは無い。
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作者名：山田 | 作成日時：2023年2月7日 0時
