Overdose 09 ページ11
《 ヒョンジンside 》
最近、リノヒョンがAをいじめ過ぎてると思う。
AもAでリノヒョンの事になるとポンコツが増すから気づいてない様子。
恋は盲目って言うけど本当にそうだと思う。
今だって、Aが楽しみにしてたショートケーキの苺を、わざとAが席を外してる間、通りすがりに食べてしまった。
戻ってきたAは誰がしたのかすらわからなくて、しょんぼりしちゃってる。
それでも文句一つ言わなずに、しょんぼりしたままケーキを食べてるんだから馬鹿みたい。
そんな所が可愛いんだけどね。
「A、コレあげる」
「んぇ！いいの！？」
「ん。味に飽きちゃったからAが食べて？」
「ありがとうジナ〜」
半分だけ食べて飽きてしまったチョコレートケーキをあげた。
Aは甘党男子だから、わかりやすく喜んで受け取った。
「Aちゃん、おいちいでちゅか？」
「ん、ちょっと苦いけど、美味しいねこっちも」
「ああ、そういえばビターチョコだったかも」
Aはそれでもモグモグと嬉しそうに食べている。
赤ちゃんが食べてるみたいで愛しい。
「あ…」
「ｲﾃｯ」
そんな幸せそうなAの元に悪魔がやってきた。
リノヒョンがまた通りすがりにAの頭を軽く叩いた。
今日はやたらAにかまってちゃんじゃない？
「あっ！リノヒョン！僕のなのに！」
「食いすぎで太るぞ」
「うっ」
今度は俺があげたケーキをAから奪って食べてしまった。
何これ。
好きな子に構ってもらいたい悪ガキかなにかなの？
てか、Aはガリガリひょろひょろなんだからケーキ2個食べた所で太るわけないじゃん。
Aはまたしょんぼりしてケーキが無くなった皿を眺めている。
可哀想なんだけど、なんだか可愛くて笑ってしまう。
「A〜また今度一緒にカフェ行こう？」
「いいもん……太っちゃうから」
あーあ。
拗ねちゃった。
「リノヒョーン！Aがヒョンのせいで拗ねちゃった！」
「んー、そう！よかったね」
ダメだ。リノヒョンもちょっと拗ねてる。
Aの事になると頭おかしくなるヒョンには少し呆れる。
取られたくないなら自分のものにしちゃえばいいのに。
まぁ気持ちに気づいてないから仕方ないか。
なんでこんな事しちゃうかすらわかってないんだもんね、ヒョンは。
「恋って凄いな」
思わず感心してしまった。
恋は色んな意味で盲目だよ。
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作者名：山田 | 作成日時：2023年2月7日 0時
