タコとウツボの幼馴染には気をつけろ！ (ページ31)

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Life is full of tough choices, isn’t it? ２ページ31

別に僕はAを恋愛対象として見ているわけじゃない。

それにオクタヴィネル寮のあのメンバーがAをどういう感情で見てるのかはよく知っている。

だからこそAはハーツラビュルに来るべきなのだと思う。
ここでは変な目的で近寄られる事も、変な目で見られることも無いのだから。

僕という長がしっかりしているからね。

さて、パーティーが楽しみだ。

席はどういう風に並べようか。
ケーキの取り分けはどうやってしようか。

勿論、Aは僕の隣に座ってもらおう。
1番ハーツラビュルがよく見渡せる席だからな。

僕は少し心が踊った。

数日後━━━

「リドル、今回の飾り付けはどうかな？」

「いつもより増して綺麗に色づけられてる。それに…うん。このケーキならAも喜んでくれる」

いつものパーティーに比べて赤が多く飾り付けられている。Aが来るとあってハーツラビュルの生徒たちも少し浮かれているようだ。

「今回はお呼び頂きありがとうございます！」

「美味そうなケーキが沢山あるんだゾ！」

監督生達も時間通りにやってきたようだ。

さて、後はAだけか。
計画の通りAの席は僕の隣だ。

監督生達も近くに配置したのでAが飽きること事は無いだろう。

そろそろ来てもいいんだが…

『やっほ～』

「「！！！」」

「A！！またキミはそんな所から！正面から入る事を知らないのか！」

真上から逆さに顔だけか降りてきた。
どうやら箒に乗って来たらしい。

脚だけを箒にかけて逆さにぶら下がるAを見ているとフロイドがチラついて嫌になる。

『うぇ～匂いが甘い～』

渋い顔で鼻をつまむA。
しまった。匂いはどうすることもできない。

「あぁ。すまない。匂いのことはすっかり忘れていたよ」

『ま、いいけど～はい、これ。アズールがリドルくんにどうぞ～って』

身軽に降りてきたAの手には小さな箱が握られている。あのアズールが僕に？

「……なんだ、これは」

小さな小箱の中身には薔薇の形をした小さなケーキが入っていた。濃い赤で装飾されており匂いはベリーの香りだった。

「こりゃ凄いな。技術が俺よりも遥か上だ」

小箱の中身を覗き込んだトレイが感心そうにケーキを見ている。

何だこのケーキは。
まるでハーツラビュルでなくてもケーキは作れると遠回しに嘲笑うように感じた。