タコとウツボの幼馴染には気をつけろ！ (ページ17)

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人魚の香りに毒されて 2 ページ17

「おい。何してんだ」

俺は足音を立てず真後ろに立つ。
まさか、俺がこの時間帯までここにいるとは思ってなかったのか連中は焦りを見せていた。

「レ、レオナさん！」
「いやこいつがしんどそうだったんで」

2年の奴が手を出そうとしたAの身体から離れる。
それに続いて他の奴らも避ければ間からいつもと様子がおかしいAが現れた。

怪我はしてねぇみたいだが…やけに死にそうな顔してやがる。

「…そうか。なら俺が預かる。」

真ん中を割って入り力無く倒れこむAを抱き抱えた。
抱き抱えるまで気づかなかったがAの身体は小さく震えていた。こいつら本当にAに何したんだ？

はだけた服から覗く白い肌を隠すように上着で隠してやればキュッと俺の服にしがみついていた。

目に溜まった涙も珍しい。
こんなAを見たのは初めてだった。

「お前ら…あんま余計な事すんなよ」

「は、はい…」

低い声でそう言い残して俺は植物園を後にする。
幼馴染の連中がこれを聞きつければ容赦なくあいつらを学園から消しそうだ。

それより俺の部屋に連れていくかこのままオクタヴィネル寮に戻すか迷うな。

よく見なくてもAの制服は無理に脱がされたのかボタンも取れてボロボロだ。
1人で返すにしてもまたあんな奴らに絡まれれば元も子もない。

「…おい。俺の部屋に一旦行くぞ」

腕の中で小さく頷くA。
あいつらじゃねぇが手を出したくなるのはこいつの持つ独特な匂いのせいか。