大切な日 (横藤) ページ6
F
「わた！誕生日おめでとう！」
玄関の扉が開いて出迎えてくれた愛しい人に我慢出来ずに飛び付く。
「こら。夜遅いんだから静かにしなさい」
コツンと頭を叩きながら怒られるけど、俺を抱き締めたまま離さないところを見ると満更でもないみたいで嬉しくなる。
「早くわたに会いたくて！」
「分かったから、とりあえず上がって」
玄関で立ち話もあれだと手を引かれてソファに座らされる。
「ごめんね、わた。ケーキとか用意出来なくて…」
「気にすんなよ。太輔、仕事で忙しいんだからさ」
自分の誕生日なのに一番に俺の心配をしてくれて、わたはどこまで優しいんだろう。
愛おしくなってわたに体をぴったりと寄せてソファに座り直すと肩を抱き寄せられた。
「それに…こうやって会いに来てくれただけでも…俺は嬉しいし…」
照れ臭そうに口をへの字にして途切れ途切れに言う姿はほんとに可愛くて
「っもう！わた可愛すぎ！大好き！」
「はいはい」
他の人が見たら冷たいって思うかも知れないけど、ぶっきらぼうにそう返すのも照れ臭いからだってこと俺は知ってるから。
「あ、でも！プレゼントはちゃんと買ってきたから！」
傍に置いておいた紙袋から綺麗に包まれたプレゼントを取り出す。
「ありがとう、太輔」
嬉しそうに八重歯を覗かせて俺が一番好きな笑顔を見せてくれる。
わた、大好き。
考えたくもないけど、わたが居なかったら泣きたくなるほど幸せで愛しくなるような気持ちなんて一生知らなかった。
怒った顔も
悲しそうな顔も
楽しそうに笑う顔も
全部、全部愛しくて。
そんな大切な人の生まれた日を感謝してもしきれない。
溢れる想いを言葉に出来なくて自分からそっと触れるだけのキスをする。
そうしたら最初は驚いてたけど俺の気持ちに答えるように微笑んで優しくキスをしてくれた。
愛しむような軽いキスから息も出来ないくらい深いキスに変わってく。
「んぅ…っは…わた…っ」
「…太輔」
大きくて優しい掌で頬を撫でられて、胸がぎゅっと甘くて苦しい幸せな気持ちでいっぱいになる。
わた。
傍にいるだけでこんなにも幸せなのはわただけ。
聞き飽きたかもしれないけど、何度でも言わせて。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
fin.
(完全に出遅れた感があるけど横尾さんおめでとう！)
終わり
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藤ヶ谷美結 - やった〜♪じゃあ、そうさせて頂きます!! (2015年5月3日 11時) (
レス) id: c0614ad42a (このIDを非表示/違反報告)
96(プロフ) - 藤ヶ谷美結さん» 無理なんてしてないですよ！どんどん話しかけちゃってください(*´▽`) (2015年5月2日 22時) (レス) id: 21c5265700 (このIDを非表示/違反報告)
藤ヶ谷美結 - ご挨拶が遅れましたね!!初めまして♪…いいんですか!?夢のようです♪ただお話してくれれば私はそれでいいので、無理はなさらないでくださいね♪ (2015年5月2日 19時) (レス) id: c0614ad42a (このIDを非表示/違反報告)
96(プロフ) - 藤ヶ谷美結さん» はじめまして！ありがとうございます！そう言っていただけて凄く嬉しいです(´▽`)♪私でよければ全然大丈夫ですよ(^^) (2015年5月2日 18時) (レス) id: 21c5265700 (このIDを非表示/違反報告)
藤ヶ谷美結 - とても面白いです!!短編なのに惹き付けられました!!…良かったら、お友達になりませんか？私も横藤の小説を書いているのですが、96様の大ファンになってしまいました!!良かったらでいいです♪ (2015年5月2日 12時) (レス) id: c0614ad42a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：96 | 作成日時：2015年4月21日 18時
