魅惑の尻尾 (横藤) ページ3
Y
ピンポーン
玄関のチャイムを鳴らす。
今朝、太輔から家に来て欲しいと連絡があった。急なことだったけれど最近仕事が忙しくなかなか会えなかったこともあり、迷うことなくすぐに行くと返事をして今に至る。
「おはよう、たいす、ぐぇッ！」
ガチャと玄関の扉が開き、顔を上げたのとほぼ同時ぐらいに物凄い勢いで太輔に抱きつかれた。
「ッ…たっ太輔？！どうした！？」
もう少しで地面に倒れそうになるが何とか踏ん張り受け止める。いつものようにじゃれついてきただけかと思ったが、腕の中にいる身体が微かに震えてるのを感じてすぐに違うと分かった。
「…わたッ…どうしよう…ッ」
俯いていた顔がやっと俺の方に向く。その拍子に何故か深々と被られたフードが取れふわりとした黒髪と一緒に現れたのは
「へ…っ？」
髪と同じ色をした猫耳だった。
とりあえず酷く動揺している太輔をソファに座らせ落ち着かせる。
聞くところによると朝起きたら猫の耳と尻尾が生えていたらしい。
「もう訳が分かんなくって…すごい不安で…」
「で、俺に連絡したわけね」
安心させるように背中をさすりながら話を聞くと太輔が小さく頷く。
「もう大丈夫だから、安心して。俺も一緒に元に戻れる方法探すから」
しょんぼりとへたれる猫耳と一緒に髪を優しく撫でると途端に表情が和らぎ、俺の首元に顔を埋め身体を擦り寄せてくる。
「ありがとう、わた……やっぱり呼んでよかった」
嬉しそうに目を細め微笑む姿に今にも猫の様に喉を鳴らしそうだなと小さく笑いながら肩を抱き寄せると、ふとゆらゆらと揺れる尻尾が視界に入った。
「それにしても…どうなってんだろ、これ」
「…っ…！」
ふわふわの尻尾の誘惑に勝てず、思わず尻尾を掴むと太輔の肩がびくりと跳ねた。
「え…太輔？」
「…っや…わ、た……やめ…っぁ」
尻尾に触れた瞬間腕の中で悩ましげに声を上げ身体を捩る太輔の色っぽい反応に尻尾を触る手を止められない。
(やばい…可愛い…ムラムラしてきた)
そういえば、もう長いこと太輔とそういった行為をしていなくて。
「…ごめん、太輔。元に戻る方法探すの後でもいい？ 」
「は…っ？えっちょっ…待っ！ひぁっ…待って、わたっ！」
どういう意味か理解したのか頬を染めて狼狽えている太輔を尻尾を触る手を止めずにゆっくりとソファに押し倒す。
ごめんね。もう少しだけ、この姿の太輔を堪能させて。
「や、やっぱり呼ばなきゃよかったーッ！！」
fin
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藤ヶ谷美結 - やった〜♪じゃあ、そうさせて頂きます!! (2015年5月3日 11時) (
レス) id: c0614ad42a (このIDを非表示/違反報告)
96(プロフ) - 藤ヶ谷美結さん» 無理なんてしてないですよ！どんどん話しかけちゃってください(*´▽`) (2015年5月2日 22時) (レス) id: 21c5265700 (このIDを非表示/違反報告)
藤ヶ谷美結 - ご挨拶が遅れましたね!!初めまして♪…いいんですか!?夢のようです♪ただお話してくれれば私はそれでいいので、無理はなさらないでくださいね♪ (2015年5月2日 19時) (レス) id: c0614ad42a (このIDを非表示/違反報告)
96(プロフ) - 藤ヶ谷美結さん» はじめまして！ありがとうございます！そう言っていただけて凄く嬉しいです(´▽`)♪私でよければ全然大丈夫ですよ(^^) (2015年5月2日 18時) (レス) id: 21c5265700 (このIDを非表示/違反報告)
藤ヶ谷美結 - とても面白いです!!短編なのに惹き付けられました!!…良かったら、お友達になりませんか？私も横藤の小説を書いているのですが、96様の大ファンになってしまいました!!良かったらでいいです♪ (2015年5月2日 12時) (レス) id: c0614ad42a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：96 | 作成日時：2015年4月21日 18時
