【歌い手】あまい月の君に恋をする【天月】3rd

特別編「あっ、はい」 ページ27

あれから一週間。





天「うん、いい写真っ」
「わ、私の指とか入ってるけど大丈夫？」
天「もちろん！ってか2人で写ってるからいいんだよ」




私たちは婚姻届を提出し、晴れて夫婦となった。
先程提出前に撮った2人の写真を、今から天月くんはTwitterにあげるらしい。
顔は婚姻届で隠してあるものの、少し恥ずかしいような。

…とか言いつつ、あとでちゃっかり保存する、絶対。




あのライブ終了後、天月くんはTwitterに改めて報告。
あっという間に知れ渡って、タイムラインにはファンの人たちや歌い手仲間の人たちからの祝福の言葉で溢れかえった。

そんな幸せ過ぎる状況を受け止めようとしたけど、今ですら受け止めきれずに、器から幸せが溢れ出している。














届を提出した帰り、私たちはそらるさん家へ寄ることになっていた。
まだ返せていない、服を手に。


「これ、遅くなってすみません。ありがとうございました！」
そ「ん。…えっ、もしかしてクリーニングしたの？」
「はい！」
そ「まじかよっ…別にいいのに」


紙袋に入れたそれを渡すと、そらるさんは息を漏らすように笑った。


天「ほんとうちのAがお世話になりました」
そ「たいしたお世話なんかしてないって。っつーか、俺ん家来たの完全につ・い・で、だよな？」
天「へっ！？あっ、いや！」


そう言って先ほどのツイート画面を突きつけられる。
決してついでなどとは！と慌てて2人で弁明し、その様子にそらるさんからまた笑いが溢れた。


そ「まぁ、逆に"婚姻届がついでだ"なんて言われてもビビるんだけどさっ。改めて直接、結婚おめでとう」
天「ありがとう、ございますっ」
そ「この後どんくらいまで時間あんの？」
天「や、今日はもう特に用事はないから…ね？」
「あ、はい！お邪魔にならない程度に！」


天月くんと顔を見合わせてそう伝えると、"逆に俺が邪魔なんだよなぁ"と言葉が返ってくる。


そ「まぁ時間あるならもうちょっといて。そろそろあいつが来るから」
天「あいつ？」


絶妙なタイミングでインターホンが鳴った。
そらるさんが玄関まで迎えに行けば、先日両国国技館でライブをした相方さんの声が聴こえてきた。


ま「暑い！暑いよ！！溶ける！やばい！！人類滅亡の危機だ！そらるさんの力でなんとかしてください！！」
そ「早く入って。鍵閉めるから」
ま「あっ、はい」


全身真っ黒の服にマスク姿のまふくんは、見ているこちらまで暑くなりそうだ。

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