100話「好きなんだから」 ページ13
「…それで、私どうしていいかわからなくて…」
今日天月くんと佐香くんとはしやんさんの3人で遊んでいたこと。
それをファンの子に見られて声をかけられたこと。
天月くんはまだこの事実を知らないこと。
全部を話した。
すると"なるほど"と一言呟き、こう続けた。
そ「じゃあ、とりあえず俺の意見を言う」
それは、何に気遣うこともない、そらるさんのまっすぐな意見だった。
そ「Aさんは自分が悪いって考えで頭いっぱいっぽいけど、そんなことはないよ。あなた1人を責めるべきじゃない」
「………」
そ「でも、あいつとかそういう活動してる人と"付き合う"ってことは、こういうのが起こる可能性も少しは頭にあったはず。もしそれを全く考えてなかったんだとしたら、ちょっと…あれかな」
「…はい」
そ「けど、それは天月だって一緒。むしろあいつの配慮が足りてないよ」
「天月くんはっ、悪くないです！」
そ「なんで？」
「なんっ……」
そ「…はしやんみたいに口外してるならわかる。でも天月はそれをしてない。ならファンの人がそれを見て驚くのは当たり前だし、多少なりともショックを受けるのだって、考えたらわかるでしょ」
何も言い返せない。
天月くんは、何か考えてたのかな。
私と付き合うこと。
そ「……でも、誰が誰と付き合おうと自由じゃん、とも思う」
ハッとした。
もしかしたら、この言葉を1番言って欲しかったのかもしれない。
そ「好きなんだから、一緒にいたいのは当たり前だし」
"だから、だれも悪くない"
その言葉に感情がかき混ぜられて。
なんかごっちゃになって。
また涙が出てきた。
そ「…えっ、な、泣かせた！？ご、ごめん」
でも不安の涙じゃない。
どうにもできない不甲斐なさとか、そんな感じのやつだ。
「…すみませんっ…なんか、ごめんなさい」
そ「……はい」
涙を手で拭っていると、いつの間にか目の前にそらるさんがいて、タオルを差し出されていた。
そ「目、そんなにこすんなって」
「…ありがとうございますっ…」
そ「とりあえず。ちゃんと2人で話し合って、何かしら答えは出した方がいいんじゃない？ネットで噂になんかなったらあっという間に広まるだろうし」
答え…か。
どうか、悪い答えが出ませんように。
そ「……目、赤っ」
「泣きすぎましたね…」
そ「……」
何も言わないそらるさんは、タオルに顔を埋めた私の頭をぽんぽんっと、優しく撫でた。
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れもん - 待って。この小説、めっちゃ面白かったです！！きゅんきゅん要素がわし好みにピッタリなんですよ！！神小説を書いて下さりありがとうございます！！ (2020年4月9日 0時) (
レス) id: 2f3420d886 (このIDを非表示/違反報告)
櫟丸。(プロフ) - 今まで読んできた中で一番です！何気にリアリティがあって、でも少しふわふわした夢のようなところもあったり。サイコーです！またこんなのを読みたいです！ (2019年1月12日 7時) (レス) id: b67e91f69f (このIDを非表示/違反報告)
私 - 今までに無いほどめっちゃキュンキュンして、感動出来て、素晴らしい作品をありがとうございました。キュンキュンがヤバイです! (2018年7月17日 19時) (レス) id: 801da972da (このIDを非表示/違反報告)
優剣 - Camelliaさん» 最後までコメントずっとくださってありがとうございました…！そんな泣いてくださるほど読み入れてくださってすごく幸せです、ありがとうございます！！他の作品もですか！嬉しいですありがとうございます…！最後までお付き合いいただきこちらこそありがとうござ文字数 (2016年8月26日 1時) (レス) id: 798d17bde1 (このIDを非表示/違反報告)
優剣 - あいりんさん» はい！ありがとうございます！！ (2016年8月26日 1時) (レス) id: 798d17bde1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優剣 | 作成日時：2016年2月26日 12時
