青学テニス部のお気に入り【テニスの王子様】

電話 ページ13

先生｢じゃあ先生職員室に戻るわね。何かあったら連絡して｣



｢分かった。先生ありがとう｣



といっても何かあることなんてほぼないんだけどね

保健室の利用者は少ない
1週間に1人来るか来ないか
来たらいつも隠れてる




｢さて｣





prrrrr





携帯を取り出して電話をかける
相手はもちろん、光





財前｢はい｣



｢あ、光･･･今大丈夫？｣



財前｢大丈夫ですよ。授業抜け出せたんで｣



わざわざ抜け出してまで出てくれたのか
相変わらず優しい
でも確か光は勉強がそんなに･･･だったけど大丈夫かな



財前｢何かあったんですか｣



｢何かあった、ってほどじゃないんだけど･･･相談というか｣



財前｢珍しいすね｣



･･･光の声安心するな
素っ気ないけど優しい喋り方
あの頃から変わってなくて嬉しい




財前｢で、相談って？｣




｢あ･･･っと、マネージャーやらないかって言われてて･･･男子テニス部の｣




財前｢あかん危ない｣




え、早くない？
そんなあかんのか




｢でも、あのみんないい人で、｣




財前｢そんなん関係あらへん｣




｢･･･私ずっと転校してきたこと後悔してた。あの事忘れるどころか光がいないのが不安で｣



財前｢･･･｣



｢テニス部の皆が、私に変わるきっかけをくれたの。だからちょっと前向きに考え、ようかなぁ、なんて｣




そう。このきっかけ逃したら、
私きっとこのまま変われない
そんなの嫌だ




財前｢･･･だから転校なんてさせたくなかったんですよ。Aさんに前を向いて欲しいと思う反面、ずっと俺に縋ってればええのにとも思う｣



｢ん、どういうこと？｣



財前｢今はまだ分からなくてええですわ｣



光ってたまにこういう難しいこと言う
そして決まって今はわからなくていい、って言う
今はどころかずっと分からないままなんだけど･･･









財前｢･･･辛くなったり、何かあったら全部俺に言うてください。溜め込むんはあかんよ｣




え、それって･･･




｢･･･いいの？｣



財前｢おん。Aさんがしたいこと止める権利は俺にはないですから｣



光はこういう人だ
結局最後には私のしたいことを尊重してくれる
我ながらいい後輩を持ったもんだ



｢放課後練習見に行くことになってて･･･正式にどうするか決めたらまた連絡する｣






またね、と電話を切る










｢はぁー･･･｣







とりあえずは、お許しを貰えてよかった
･･･放課後楽しみだな

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