＊春野院〜みんな家族６〜＊

遺されたもの＊11＊ ページ4

薮side


今日は家に帰る日…



なんとなく荷物をまとめていると親戚の人に呼ばれた


光｢どこ行くの？｣

薮｢ちょっとトイレ｣


光にはそう答えて部屋を出た


連れて行かれたのはあの部屋だった


薮｢なんですか？話って｣


部屋の中は真っ暗でなんにも見えない


暗闇の中を何かが光った



…………ナイフだ



｢宏太…お前正直に答えろよ？本当に12年前のことは何も覚えてないんだよな？｣

薮｢疑ってるんですか？あなたたちも見たでしょう？僕が気を失って倒れてるのを｣

｢だからといって覚えてないとは限らないじゃないの!!｣

薮｢本当に覚えてません｣

｢さっき来た友達だけど…お前のことについて探ってるらしいな？｣

薮｢知られたらまずいことあるんですか？｣

｢それは…｣

薮｢失礼します｣

｢ちょっと待て…作戦変更だ…こいつも…やるしかないな…いずれすぐ答えにたどり着くだろ｣

薮｢………え？｣



気がつくとナイフを突き付けられていた



｢あの時こうしておけばよかたんだ…あの時…｣


ナイフが首に触れる直前…ふすまが開いて光が射し込んだ



畳には父さん…母さん…姉ちゃん…兄ちゃん…の血の海があらわになった

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