＊春野院〜みんな家族６〜＊

花のように＊13＊ ページ19

太輔side


みんなが二階に上がっていったのを確認してから話を切り出した


太｢聡…気持ち…かたまった？｣

聡｢…うん｣


聡は絶対に揺るがない心に決めた顔をしていた

聡｢お母さん…ごめんなさい…｣

母｢聡…｣

聡｢僕ね…僕…お母さんのこと大好きだよ？お母さんがいなかったら僕はここにいなかったかもしれないし…
けど時々…お母さんのことが嫌いで…嫌いでたまらなくなるんだ…こんなことならいっそ…いないほうがましだって…けど…わかったんだ

僕が嫌いで嫌いでたまらない時も…いなければ良かったって思った時も…お母さんは僕の事を大好きだって言ってくれた

あんなにひどいこと言って家飛び出したのに…探してここまで来てくれた

ここにはいろんな人がいるんだ…どんなに好きだって…どんなに大好きだってお母さんに言ったってもういなかったり…伝わらないことがほとんど

けど…僕は伝わる…僕には自慢のお母さんがいるから

お母さんがいるだけで幸せだけど…お母さんがお母さんだから…僕はもっと幸せ者だよ

僕はまだ小さいけど…高校生になったら二人で暮らそう？

それまで…待ってて？｣

母｢わかった…｣



涙ながらに言う聡はなんでもわかってるみたいに見えるけど


本当はただの小学生だってことを思い出させた

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