257話 ページ46
．
※※※※※
「色々とありがとう、ピタ」
「王女様…お気をつけて。」
店の裏手、太陽の光すら通りにくい路地にて
世話になった店主への挨拶を済ませ、
ジョーカー達は足音もほどほどに駆け出した。
「兵隊がいっぱいっす……」
『…こっちはダメそうね。』
国総出とでも言うべきだろうか？
一国の王女の安否がかかっているせいか、
やたらと巡回する兵士が多い。
ばかりか、WANTEDなどと
大きく描かれ貼られた張り紙が、ジョーカーらを指して
建物をはさんだ路地の至る場所に置かれていた
物陰から様子を窺っていたものの、
見る限り 隙のある逃げ道は見あたらない。
ジョーカーが眉をしかめていると、背後から、
「そこで何をしている！？」
「っ！？お前たち、まさか！」
『ちっ、』
神経質な声に振り返れば、
銃をたずさえた兵士2人が 来た道を塞ぎ
こちらに敵意をもった様子で武器をかまえた。
ジョーカーはとっさにパプリカを庇いつつ、
指の間から 潜ませていたトランプのカードを構え
兵士たちの意識が警戒にいたる前に、
頭部めがけて先制攻撃を図る
「ぐぁ！」
『今よ、走って！』
帽子に弾かれたとはいえ、頭部への直撃により
兵士らは重心をとられ 後ろに倒れ込む。
その不意を、ジョーカーは好機と捉えて逃さない
「っ待て！」
一手を終えれば次の一手を、
イメージガムを口の中に放り、即座に身代わりをつくる。
その際、後続するハチ達に 次の曲がり角を曲がるように、
と合図するのを忘れずに。
曲がり角を超えた瞬間、
即座に兵士たちが追いついてくることを想定して、
ジョーカーは後ろ背すぐに身代わりを落とし、
わざと 彼らの鼻面にぶつかるように計算した。
「っ、その先は行き止まり……ぐっ！？」
「これは、偽物だ……！
さっきの奴らは、いない……？」
その思惑通り、1人はジョーカーの
身代わりに身体をぶつけ 短い苦鳴をあげる
___それを確かめて、計画通りだと
ほくそ笑むにしろ ジョーカーたちの姿はもう
忽然と立ち消え、もはやそこには呆然と現状を理解する
間の抜けた兵士2人が佇んでいただけだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カフェオレ。(プロフ) - こむぎまちさん» こちらこそご丁寧にありがとうございます。私側のフォローもしていただき、僭越ながら痛み入っております。6月は家内の事情もあって続編作成が遅れてしまいそうなのですが、そう言って頂けると誠勝手ながら安心します( ´ｰ`)コメントありがとうございました (2022年6月3日 17時) (
レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎまち(プロフ) - カフェオレ。さん» 返信ありがとうございます。拝見させていただきました。そのような理由があったのですね…その人がしたことは決して許されません。これからも応援しています、のんびり自分のペースで頑張って下さい。 (2022年6月1日 23時) (レス) @page50 id: a5368f8fd0 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - こむぎまちさん» 長らくコメントを返信できず申し訳ありません。遅ればせながら、パスワードを公開できない事情、公開に至るまでの旨をページ50話に記載致しました。御手数ですが拝謁いただけると幸いです。 (2022年6月1日 3時) (レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - アニメ好きのただのOTAKUさん» 光栄の極み…！これからもこの作品を宜しくしてくださるとうれしいです！コメントありがとうございました！ (2022年6月1日 3時) (レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎまち(プロフ) - 初めまして。作者様にお願いがあります。怪盗少女2と3の非公開解除はいつ頃になりそうでしょうか。 (2022年4月4日 15時) (レス) id: a5368f8fd0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
