250話 ページ39
．
商店のにぎわう声。集う人々が過ごす、
当たり前で 平凡な日常____
言葉にするのは簡単で、誰しもがわざわざ口には出さない
小さな理想。それが、傷の痛みと風化していく"いつか"を
想う少女にとっては、
何よりも尊く、手放し難く、そして___
とてつもない価値がある景色であると知っていた。
「……。」
窓越し。手を触れて、眼下に捉える。
自分の立場ではとうてい、容易くは触れられない感触。
露店を挟んで商品を進めながらも、
楽しげに談笑する婦人たち。人通りも多いという中で
小柄な体躯を活かして追いかけっこする子供ら。
少し遠くのほうでは売り上げが伸び悩んでいるのか、
隣に並んだ店主同士が難しい顔で何やら話している
どれもこれも愛おしくて。
パプリカは思わず頬に笑みを浮かべたあと
そうっと音も立てずにカーテンを閉じた。
「王女様！」
すると、扉越しに 顔馴染みである店主
ピタの声がかかり、はっと振り返る
「はい？ どうぞ、」
「失礼します。お食事をお持ちしました」
「…ありがとう、ピタ。
ついあなたの所にきてしまいました」
申し訳なさそうに、消極的な態度をとる少女に
ピタと呼ばれた店主は首を小さく振りながら笑い、
テーブルに食事の乗ったトレイを差し出した
「あの泥棒たち、なにか悪さをしていませんか？」
「いいえ、王女様。私には
あの者たちが悪い人間には思えませんがね
…さぁさ、どうぞ召しあがれ！」
「____。」
その返答に、パプリカの瞳は揺れる。
あの泥棒たちの正体。どうしても拭えない違和感に
自分の判断をあぐね、パプリカは無意識に唇をかみしめた。
だが、それをわざわざ表に出すことはできなかった。
ただでさえ世話になっている店主の前に明かすものではない、と思い直して、食事の席につく。
「___！
……おいしい、」
「それは良かった。…王女様？」
口の中に広がる 懐かしい味わいに、
パプリカの、取り繕っていた表情から
余計な力が抜けおちていく
王女とはいえ、幼くも素直な
年相応ともいう感想に ピタは自分の娘でもみるような
微笑ましい笑みを浮かべた…
____その、直後だった。
パプリカの綺麗な金色の瞳がうるみ
涙となって、なだらかな頬を伝っていった
▽
(謝罪)
それもこれも
ぜんぶ後期試験ってやつがわるいんだ
ごめんなさいでした。
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カフェオレ。(プロフ) - こむぎまちさん» こちらこそご丁寧にありがとうございます。私側のフォローもしていただき、僭越ながら痛み入っております。6月は家内の事情もあって続編作成が遅れてしまいそうなのですが、そう言って頂けると誠勝手ながら安心します( ´ｰ`)コメントありがとうございました (2022年6月3日 17時) (
レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎまち(プロフ) - カフェオレ。さん» 返信ありがとうございます。拝見させていただきました。そのような理由があったのですね…その人がしたことは決して許されません。これからも応援しています、のんびり自分のペースで頑張って下さい。 (2022年6月1日 23時) (レス) @page50 id: a5368f8fd0 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - こむぎまちさん» 長らくコメントを返信できず申し訳ありません。遅ればせながら、パスワードを公開できない事情、公開に至るまでの旨をページ50話に記載致しました。御手数ですが拝謁いただけると幸いです。 (2022年6月1日 3時) (レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - アニメ好きのただのOTAKUさん» 光栄の極み…！これからもこの作品を宜しくしてくださるとうれしいです！コメントありがとうございました！ (2022年6月1日 3時) (レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎまち(プロフ) - 初めまして。作者様にお願いがあります。怪盗少女2と3の非公開解除はいつ頃になりそうでしょうか。 (2022年4月4日 15時) (レス) id: a5368f8fd0 (このIDを非表示/違反報告)
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