235話 ページ24
．
シャドウ。その名前が
鼓膜を過ぎ去っていった辺りで
はく、と口元が何かを訴えようとして
___そこでようやくジョーカーは、
自分が無意識のうちに呼吸を止めていた事に気がつける。
とっさに平静を取り繕うものの。その手元は
自然と、さっきよりも携帯が耳に近づくよう動き
流れてくるクイーンの声を慎重に聞き取ろうと、わずかに息を呑んだ。
『はっ？なんで、シャドウが……
いや、それより私たちって、
師匠やスペードもそこにいるの？
だとしたら、揃いも揃って何してんのよ』
《ううん、お爺ちゃんはいないわ。
……って、誰のせいだと思ってるのよ！》
互いに状況を整理しようとしたのだが。
唐突にそんな怒号が耳を劈き、
ジョーカーは身構えていたことも忘れて
反射的に端末を 耳から遠ざけた。
しかし、すぐに事態を思い直し
ひとまずクイーンの怒りどころを質してみようと
戸惑いは拭えぬまま、恐々としつつ口を開く
『えっいや、うん？？
えっと、私は関係ない…と思うんだけど』
《関係ないですってぇ…！っもう！
とにかく、今度ぜったい！Aには私との
ショッピングに付き合ってもらうんだからね！》
『えぇー……ほんとに何の話よ、』
すっかり怒り心頭なクイーンからは
要領を得ない言い分しか伝わるものがなく。
そのうえ、どうあっても
此方に理解させる気のない主張に
多少の理不尽さを覚えて、ジョーカーが、
｢そもそも心当たりどころか
私らここ数日会話すらしてないじゃない……｣などとごちると、
《それが元々の原因なの！！
……こうなったのはジョーカーが…！》
『……私が？』
___そこで、初めて通話越しの声が止んだ。
《っ、》
ジョーカーが知る由もないことだが。焦燥に任せて、
とんでもないことを口走りそうになる口元を、
クイーンは慌てて塞いでいた。
……言えるはずもない。
憎からず思っている幼馴染が、久しぶりに、
それも珍しく自分の元を尋ねてきてくれたかと思えば
いざ蓋を開けてみるとそれは全く別のだれかで。
そうとは知らず、数時間前の自分は
てっきり外出の誘いだと信じこんでしまって、
付け入られる隙を与えた自分にも非はあるが…
それらをひっくるめ、百も承知でムカつく。
クイーンの苛立ちを纏めると、こうである。
今のクイーンとしては、
あのとき一瞬でも舞い上がってしまった
自分を、思いっきり咎めてやりたい気分でいっぱいだった。
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カフェオレ。(プロフ) - こむぎまちさん» こちらこそご丁寧にありがとうございます。私側のフォローもしていただき、僭越ながら痛み入っております。6月は家内の事情もあって続編作成が遅れてしまいそうなのですが、そう言って頂けると誠勝手ながら安心します( ´ｰ`)コメントありがとうございました (2022年6月3日 17時) (
レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎまち(プロフ) - カフェオレ。さん» 返信ありがとうございます。拝見させていただきました。そのような理由があったのですね…その人がしたことは決して許されません。これからも応援しています、のんびり自分のペースで頑張って下さい。 (2022年6月1日 23時) (レス) @page50 id: a5368f8fd0 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - こむぎまちさん» 長らくコメントを返信できず申し訳ありません。遅ればせながら、パスワードを公開できない事情、公開に至るまでの旨をページ50話に記載致しました。御手数ですが拝謁いただけると幸いです。 (2022年6月1日 3時) (レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - アニメ好きのただのOTAKUさん» 光栄の極み…！これからもこの作品を宜しくしてくださるとうれしいです！コメントありがとうございました！ (2022年6月1日 3時) (レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎまち(プロフ) - 初めまして。作者様にお願いがあります。怪盗少女2と3の非公開解除はいつ頃になりそうでしょうか。 (2022年4月4日 15時) (レス) id: a5368f8fd0 (このIDを非表示/違反報告)
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