212話 ページ1
．
うぞうぞ、と表現すれば
何かとんでもなく気持ちの悪いものが
身体を這い寄っているのだと
感覚が、そう無意識下で嫌悪を覚えるように。
眼前に広がる光景をみて、全神経が悲鳴をあげていた
『あ……あぁぁ…っ』
意味をなさない母音が
恐怖にわななく唇からこぼれおちて。
視界内で行われる今の惨状に、
ジョーカーは泣きたくなる気持ちを堪え
せめてもの矜恃として「目を背くな」と
自らの心に叱咤するが、それまでだった
____と、いうのも。
『……は、は、ｯハチが……
ハチが猫に喰われたぁーーッ！！』
状況は、その悲鳴の内容どおり。
ハチがつい先ほど数十匹の猫にまとわりつかれたかと思えば、
瞬く間に全身を包まれて
たちまち所在をうやむやにされた所である。
『肉食！？最近の猫は肉食なの！？
ハチはどんな味だったのよ今すぐ吐きだしなさい！でもこっちくんな！』
「落ちついてくださいジョーカー！
言ってることが滅茶苦茶ですし、
そもそも猫は人を食べたりしません！」
まとまらない思考を
そのまま口にしてしまうくらいには
気が動転していたが、無理もないと言える。
それほど大量の猫たちに囲まれる姿は
贔屓目にしても余るものがあり
それ故に、ただでさえ猫が恐怖と認識している
ジョーカーにとっては言わずもがなだろう
「シャーｯｯ！！」
そのとき、何を拍子にか、
バトラーが唐突にカッと瞳孔を開かせ
毛を逆立てるように威嚇の体勢をとると
ハチを取り込むようにしていた猫らが
全身を総毛立たせ、蜘蛛の子を散らすように
あっさりと離れていく。
____だが、
「ハチ君が！？」
『やっぱ喰われたぁ…！』
猫の大軍が走り去った跡地に
ハチの姿はなく、気配すら忽然と消えていた。
既に精神が限界を訴えるなか、
甲冑に腕をまきつけ縋り付く力を強めながら、
半分泣きかけた声をだして項垂れる。
「ふふ。…何処へいったのかしらね？」
そんな姿を楽しむようにして、
第三者の軽やかな一笑が飛び込んだのは
ジョーカーが俯いた顔をあげるのと、ほぼ同時だった
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カフェオレ。(プロフ) - こむぎまちさん» こちらこそご丁寧にありがとうございます。私側のフォローもしていただき、僭越ながら痛み入っております。6月は家内の事情もあって続編作成が遅れてしまいそうなのですが、そう言って頂けると誠勝手ながら安心します( ´ｰ`)コメントありがとうございました (2022年6月3日 17時) (
レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎまち(プロフ) - カフェオレ。さん» 返信ありがとうございます。拝見させていただきました。そのような理由があったのですね…その人がしたことは決して許されません。これからも応援しています、のんびり自分のペースで頑張って下さい。 (2022年6月1日 23時) (レス) @page50 id: a5368f8fd0 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - こむぎまちさん» 長らくコメントを返信できず申し訳ありません。遅ればせながら、パスワードを公開できない事情、公開に至るまでの旨をページ50話に記載致しました。御手数ですが拝謁いただけると幸いです。 (2022年6月1日 3時) (レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - アニメ好きのただのOTAKUさん» 光栄の極み…！これからもこの作品を宜しくしてくださるとうれしいです！コメントありがとうございました！ (2022年6月1日 3時) (レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎまち(プロフ) - 初めまして。作者様にお願いがあります。怪盗少女2と3の非公開解除はいつ頃になりそうでしょうか。 (2022年4月4日 15時) (レス) id: a5368f8fd0 (このIDを非表示/違反報告)
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